銀行口座からお金が勝手に引き出されたり、知らない取引が行われたりする「不正利用」。誰にでも起こり得るリスクであり、知らずに被害に遭う人もいます。この記事では、銀行口座がどのように不正利用されるのか、その原因と対策について解説します。
銀行口座の不正利用の主な手口とは
不正利用は、以下のような手段で行われることが多いです。
- フィッシング詐欺:偽のメールやSMSで銀行サイトを装い、ログイン情報を盗み出す手口。
- スキミング:ATMやカードリーダーに偽装装置を取り付け、カード情報を読み取る方法。
- マルウェア感染:スマホやPCに不正アプリを入れさせ、口座情報を抜き取るケースもあります。
- ソーシャルエンジニアリング:電話やSNSで個人情報を聞き出し、本人になりすまして利用する手口。
これらの手法によって、口座番号や暗証番号、ワンタイムパスワードなどの情報が盗まれると、口座から不正にお金を引き出される可能性があります。
実際にあった不正利用の事例
事例①:フィッシングメールによる被害
「〇〇銀行を名乗るメールにログインを促されてアクセスしたところ、後日、50万円が勝手に引き出されていた」という事例があります。これは偽サイトに誘導され、IDとパスワードを盗まれた典型です。
事例②:Pay系不正引き落とし問題
2020年頃、複数の銀行と連携していたキャッシュレス決済サービスが不正利用され、多数の口座で不正引き出しが発生しました。銀行側のセキュリティ連携の甘さが原因でした。
どんな情報がバレると危険か?
口座番号+暗証番号だけで不正利用されるケースは少ないですが、追加で氏名や生年月日、電話番号などが知られていると危険性が高まります。特にネットバンキング利用者は、ログインIDとパスワード、ワンタイムパスワードが狙われます。
最近では、本人確認を回避するためにSIMスワップ(電話番号を奪う)などの高度な手口も登場しています。
不正利用を防ぐためにできる対策
自分の口座を守るためには、日常的に以下のような対策を取りましょう。
- 不審なメール・SMSを開かない(銀行やカード会社はメールでログインを促しません)
- パスワードを使い回さない(複雑で推測されにくいものに)
- 定期的に口座の履歴を確認(不審な引き落としがないか)
- 二段階認証を有効にする(ワンタイムパスワードの活用)
- 公式アプリやサイトのみを使用する(URLを確認)
万が一、不正利用に気づいたら?
被害に気づいたら、すぐに以下の対応を取りましょう。
- 銀行に連絡して口座を一時停止
- 警察に被害届を提出
- フィッシング被害なら情報処理推進機構(IPA)などにも相談
また、補償の対象になるかは、利用者が適切に管理していたかどうかにより異なります。暗証番号やワンタイムパスワードを他人に教えたり、メモしたりしていた場合は補償されないこともあるため注意が必要です。
まとめ
銀行口座の不正利用は、口座番号や暗証番号の漏洩だけでなく、フィッシングや不正アプリ、複合的な情報漏洩によって起こります。被害を防ぐためには、日頃からセキュリティ意識を持ち、不審な連絡やアプリに注意することが重要です。不正を疑った際は、すぐに銀行や警察に相談しましょう。
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