借金の返済に悩んでいると「おまとめローン」という選択肢が頭に浮かぶことはよくあります。金利の低下や返済先の一本化といったメリットがある一方で、「返済期間が長くなって損になる」という意見も耳にします。本記事では、おまとめローンが本当に得か損かを判断するための視点を詳しく解説します。
おまとめローンの基本とは?
おまとめローンとは、複数の借入先の債務を1つのローンに集約する金融商品です。主に金利の引き下げと、返済管理の簡略化が目的です。
例えば、モビットで年利18%、JCBで15%、クレジットのリボ払いで14%といったように、複数の借入がある場合、おまとめローンで年利10%以下にできれば利息の負担は大幅に軽減されます。
おまとめローンのメリットとデメリット
- メリット:月々の返済が一箇所にまとまり、管理がしやすくなる。金利が下がれば総返済額も減る。
- デメリット:返済期間が長く設定されると、結果的に支払総額が増える場合がある。審査が厳しい金融機関も多い。
金利が下がっても、返済期間が10年などと長くなれば、支払い利息が結局増えるケースもあります。返済計画表を事前に作成し、総額で比較することが大切です。
実際の例で考えるおまとめローンの効果
例えば、総借入額が126万円(金利18%)で月2万円ずつ返済しているとします。この場合、完済までにかかる期間は約100か月(8年以上)、利息は約74万円になります。
これを金利10%のおまとめローンに切り替えたとすると、同じ月2万円の返済であれば、返済期間は約80か月、利息は約35万円に抑えられる可能性があります。
おまとめローンの審査と注意点
おまとめローンの審査では「返済能力」が重視されます。年収、勤務先、他社借入状況などが見られるため、すでに多くの借入があると否決される場合もあります。
また、おまとめローンの申込後に他のローンへ申し込むと、審査に悪影響が出るため注意が必要です。ローン審査に通った後は、既存の借金を確実に完済し、新たな借り入れは避けるのが原則です。
クレカのリボ払いを継続するリスク
リボ払いは毎月の支払いが一定で楽に見えますが、元本がなかなか減らず、高金利によって返済総額が膨らむ危険があります。
限度額が高いカードを維持したい気持ちは理解できますが、返済優先でリボ払いから抜け出す方が長期的には経済的負担が軽くなります。
おまとめを検討すべきタイミングとは
毎月の返済が家計を圧迫している場合や、金利が高く返済が進まない場合には、おまとめローンを検討する価値は高いです。ただし、金利の下がる見込みがあり、返済総額が明確に減る計算が立つ場合に限ります。
逆に、現状の返済が無理なく継続できており、金利もさほど高くないのであれば、おまとめせずコツコツ返済していく方が良い場合もあります。
まとめ:おまとめローンは「戦略的に使う」ことが重要
おまとめローンは、正しく使えば借金問題の解決を後押しする強力な手段です。ただし、返済期間の長期化や審査落ちのリスクも伴うため、利息の計算と将来設計をしっかり行った上で判断しましょう。
収支バランスを見直し、必要であれば専門家(ファイナンシャルプランナーや債務整理に強い弁護士)に相談するのも有効です。
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