子育てもひと段落し、夫婦2人の生活が見えてきた50代。老後を安心して迎えたいと思う一方で、夫の浪費や貯蓄の管理に不安を抱える方は少なくありません。この記事では、配偶者の金遣いに悩みつつも、自分の貯金を守りながら安心して老後を迎えるための考え方と対策を解説します。
まずは「老後資金はいくら必要か」を知っておく
一般的に、夫婦2人で必要とされる老後資金は最低でも2,000万円〜3,000万円と言われています。
これは、公的年金だけでは毎月の生活費(約26万円)に対して数万円の赤字が出ると仮定し、その赤字分を20〜30年分補うための金額です。
夫婦ともに65歳まで働くとしても、退職後20年〜30年の生活を支えるには、最低でも2,000万円の現金+年金収入が必要になります。
現時点の資産と想定できる将来資金
現在の貯金:あなた 1,000万円、夫 500万円(浪費傾向あり)
今後見込める退職金:2,000万円(夫のみ)
年金収入:夫婦で年間約250万円〜300万円と想定
これらをもとに試算すると、老後スタート時に約3,500万円程度の準備が可能ですが、夫の浪費が加速すれば現実には2,000万円台まで減少するリスクも。
夫の浪費に備える“家計防衛”の基本戦略
まず必要なのは、夫の金遣いと家庭のお金を分ける明確なルールです。
- あなた名義の口座・資産は必ず分離保管(夫名義に移さない)
- 夫婦共有名義の通帳は生活費のみの入金に限定
- 自分の預金はiDeCo・つみたてNISA等で非課税運用(浪費を防ぎながら老後資金形成)
また、退職金を一括で渡さず、分割管理する方法(信託口座など)を検討するのも有効です。
夫の浪費傾向がひどい場合の実践的対策
・引き落とし口座の見直し(カードや習慣的支出の棚卸)
・クレジットカードや電子マネーの利用明細を定期的にチェック
・使途不明金がある場合は、家計相談やFPに中立的に入ってもらう
・浪費が病的であれば「買い物依存」や「ギャンブル依存」の疑いもあり、カウンセリングも視野に
また、家計防衛の一環として、「生活費は自分が管理する」と家庭内ルールを整備するのが理想です。
共働きの利点を活かしつつ、自分の将来も守る
あなた自身も65歳まで働く意思があるなら、今後15年で年収300万円×15年=約4,500万円の収入が見込めます。
このうちの30%を毎年貯蓄・資産運用に回せば、老後に向けて1,000万円以上をさらに確保可能です。ご自身の経済力を確保しておくことで、万一夫の金銭感覚が変わらない場合でも安心です。
まとめ:感謝と不安の間で揺れるからこそ「自分の守り」を固めて
子どもを無事に育て上げ、老後を意識する年代に入ると、夫婦間のお金の使い方が顕著に差として現れます。
浪費傾向のある夫に無理に変化を求めるのではなく、自分の口座・資産・収入の防衛と分離管理から始めるのが最も効果的です。
老後資金の準備は今からでも遅くありません。まずは家計の棚卸と「資産防衛プラン」を立て、必要であれば専門家への相談も活用して、安心して自分らしい将来を描いていきましょう。
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