障害年金を実質的に増やすシンプルな方法とは？働くことで得られる年金の仕組みとその効果

障害年金の受給者であっても、働くことで実質的に年金額を増やすことが可能だという考え方があります。そのカギを握るのが「年金保険料の免除」と「収入の確保」のバランスです。この記事では、障害年金と就労の関係、そして保険料の仕組みを活かした生活防衛術をわかりやすく解説します。

障害年金の基本と等級ごとの支給額

障害年金は、国民年金（基礎年金）と厚生年金の2種類に分かれており、それぞれに支給額が定められています。2024年度の例では、障害基礎年金の2級は約78,000円、1級はその1.25倍です。

この金額は「生活の基礎支援」としては有効ですが、十分な生活費とは言い難いため、多くの方が他の収入源を求めています。

結論から言えば、障害年金を受給しながら働くことは可能です。ただし、就労内容や収入によっては、更新時の審査で「就労能力あり」と判断され、支給が停止または減額される可能性もあります。

たとえば、フルタイム勤務で年収200万円以上などは注意が必要です。反対に、軽作業のパートや短時間勤務であれば年金への影響は少ないとされています。

障害年金の受給者は、一定条件のもとで国民年金保険料が全額免除になります。これは月々16,520円（2024年度）の負担を免除されるという意味で、年間では約198,240円もの価値がある制度です。

本来この金額は老後の年金受給額に反映されるはずの支払いですが、免除された期間でも年金額に一部反映される仕組みになっており、「払わずに得られる権利」という考え方もできます。

たとえば、働いて月収8万円を得た場合、障害年金（仮に8万円）と合わせて月収16万円となります。これに加え、保険料の免除（月16,000円相当）を「支出が減った＝収入が増えた」と考えると、実質的に約17.6万円相当の経済的価値があるというわけです。

つまり、働ける範囲で就労することは、年金額そのものが増えるわけではないにせよ、家計にとっては「増えたような感覚」を生むという合理的な解釈になります。

逆に、障害年金の受給のみで働かない場合、免除はされるものの追加の収入は得られません。つまり、働けるのに働かない＝免除だけで満足＝本来得られたはずの「実質的な増収」を放棄していることになります。

この点を「もったいない」と考える方も増えており、最近では障害者就労支援や在宅ワークを通じた「無理のない収入確保」が注目されています。

就労が可能だからといって働きすぎると、障害年金の支給停止になるケースがあります。特に更新時の診断書内容と、実際の勤務内容・収入額の乖離が大きいと判断された場合には、年金支給そのものが打ち切られる可能性があるため、医師とよく相談の上で働く範囲を見極めることが重要です。

障害年金を受給していても、働くことで経済的な余裕を作ることは十分可能です。保険料の免除という特典を活かしながら、負担の少ない働き方を選ぶことで、実質的な生活資金を増やすことができます。

大切なのは「年金の支給条件を満たしたまま、無理せず働くこと」。自分に合ったペースで働くことで、年金の安心と収入の安定を両立する道が開けます。