昔は通帳をこまめに記帳して残高や入出金履歴を確認するのが当たり前でしたが、最近では通帳をまったく記帳しない人も増えてきています。この記事では、なぜ人々が通帳を記帳しなくなったのか、その背景と現代の銀行利用スタイルをわかりやすく解説します。
通帳を記帳しない人が増えている理由
第一に挙げられるのは、スマートフォンアプリやインターネットバンキングの普及です。各銀行の公式アプリやウェブサイトを通じて、24時間いつでもリアルタイムで口座の残高や明細を確認できます。
例えば、三井住友銀行やゆうちょ銀行では公式アプリで取引明細が確認でき、わざわざATMに通帳を持っていく必要がありません。
通帳の記帳忘れが生むトラブルとその回避法
記帳しないまま放置すると、ATMで「記帳できません(繰越が必要)」という表示が出る場合があります。これは記帳されていない取引が100件を超えるなどしたときに発生するもので、通帳を新しくする手間がかかります。
こうしたトラブルを避けるには、記帳の代わりに取引明細を定期的にアプリで確認し、必要に応じてPDF保存しておくと安心です。
そもそも通帳がない「通帳レス」口座の登場
近年、紙の通帳を発行しない「通帳レス」口座も増えています。楽天銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行などのネット銀行を中心に普及しており、紙の通帳そのものを持たないユーザーが多く存在します。
また、メガバンクでも三菱UFJ銀行やみずほ銀行が紙通帳の発行を有料化したり、原則通帳レスを推奨する流れになっています。
高齢者層でも記帳をしないケースがある
記帳をしないのは若者だけと思われがちですが、実は高齢者層でも記帳しない人は少なくありません。理由としては「ATMの操作が不安」「毎回並ぶのが面倒」「残高は定期的に窓口で確認している」などが挙げられます。
高齢の方でも子どもにスマホを設定してもらい、アプリで確認するようにしたという事例も増えています。
記帳のメリットと必要な場面
とはいえ、通帳の記帳には以下のようなメリットもあります。
- 紙で履歴を残せる(証明書類として使える)
- 通信障害時でも履歴が見られる
- 相続・税務調査・資金使途の確認に役立つ
特に年末調整や確定申告、借入の審査などで過去の取引履歴が必要な場合には、記帳済みの通帳があると手間を省けます。
まとめ:記帳しないのは「ズボラ」ではなく時代の流れ
通帳を記帳しない理由は、単に「面倒だから」だけでなく、アプリやネットバンキングの進化によってその必要性が薄れてきたからです。
とはいえ、紙の通帳を活用するメリットもあるため、自分のライフスタイルに合った口座管理方法を選ぶことが大切です。「記帳しない」=「怠けている」と決めつけるのではなく、合理的な選択である可能性も考えてみましょう。
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