個人事業主でも従業員を雇用する場合、社会保険や労働保険の手続きが必要になります。しかし「自分は第1号被保険者のままで、家族を第2号被保険者にできるのか?」など、制度の仕組みがややこしいと感じる方も多いでしょう。本記事では、個人事業主が配偶者や子供を社員として雇ったときに、どこまで社会保険をかけられるかを整理します。
労災・雇用保険は従業員を雇えば必須
個人事業主が誰かを雇用すれば、労災保険と雇用保険への加入は雇用形態や人数に関係なく原則必須です。例え配偶者や子供であっても、契約に基づく給与支払があるなら加入手続きが必要です :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
手続きは、労働保険・雇用保険それぞれに所定の届出をハローワークや労基署に行います。
健康保険・厚生年金は人数要件あり
個人事業所では、従業員が常時5人以上になると強制的に健康保険・厚生年金加入が必要です :contentReference[oaicite:1]{index=1}。ただし5人未満でも、任意適用制度により半数以上の同意を得れば加入できます :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
その際には事業所全体で同意が必要で、個別の社員だけ加入はできません。
事業主自身は加入できない
個人事業主本人は、事業所が社会保険適用になっても健康保険・厚生年金には加入できません。引き続き国民年金と国民健康保険の第1号被保険者である必要があります :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
配偶者や子供を第2号被保険者にできる条件
配偶者や子供を第2号被保険者にするには、以下の条件が必要です。
- 常時5人以上の従業員がいるか、または従業員の半数以上が社会保険加入に同意して任意適用事業所となっている
- 雇用形態が正社員、または短時間勤務でも正社員の4分の3以上の労働条件である
上記が満たされれば、配偶者や子供も第2号被保険者として加入できますが、本人の単独の希望だけでは難しい制度設計です :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
従業員人数が要件に満たない場合はどうする?
従業員が数人しかおらず強制加入に該当しない場合、「任意適用」を利用して配偶者や子供を含む従業員全員の加入を選択することができます。ただし、同意が揃わなかったりメリット・負担を考慮して見送るケースもあります。
まとめ:家族を従業員にしても社会保険は自由にはかけられない
個人事業主が自分だけは第1号被保険者のままで、家族や従業員だけを第2号被保険者にすることは
一定の要件(人数・同意など)を満たした場合にのみ可能です。人数が少ないうちは任意適用も検討し、条件に応じて事業所単位で社会保険を整えるのが現実的な対応です。
制度を正しく理解し、将来の社会保障も視野に入れた最適な選択を行いましょう。
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