「健康保険の会社に、自分の収入が伝わってしまうのはなぜ?」と疑問に感じたことはありませんか?税務署と健康保険制度の間には、実は一定の情報共有が行われる仕組みが存在します。本記事では、税務署と健康保険者との情報のやり取りの実態や、どのような場合に収入が伝わるのかを解説していきます。
税務署と健康保険者の情報連携の仕組み
健康保険における「扶養認定」や「保険料算出」などの場面では、被保険者やその家族の所得情報が重要になります。そこで活用されるのが、税務署が把握している課税情報です。
これは、e-Taxなどで申告された所得情報が地方自治体や年金事務所などを通じて、健康保険の保険者(協会けんぽや健康保険組合など)に共有されることがあるためです。特に「被扶養者の収入超過」や「保険料の算定ミス」などを防ぐ目的で使われます。
誰の情報が共有されるのか
主に対象となるのは、被扶養者として健康保険に加入している配偶者や子どもなどです。収入が一定基準(年間130万円など)を超えていないかどうかが審査対象となります。
一方で、勤務先の健康保険に加入している本人(被保険者)の所得情報は、会社が提出する報酬月額や賞与情報などを基に計算されており、税務署から特別に情報提供されることはあまりありません。
実際にどんなケースで収入がバレるのか
例えば、専業主婦のAさんが扶養のままアルバイトを始め、年間の所得が140万円に達した場合、翌年の住民税申告などから自治体を通じてその情報が健康保険組合に伝わり、扶養認定の見直しが行われるケースがあります。
また、税務署に確定申告をした内容が住民税課税情報として市区町村に通知され、それがさらに保険者に照会されることがあります。結果として「扶養から外れる必要がある」との通知が届く可能性があります。
健康保険組合や協会けんぽはどう調査しているか
保険者側は、定期的に被扶養者の収入確認を実施しています。その際に、住民税課税証明書や非課税証明書の提出を求められることが多く、間接的に税務署経由の情報と照らし合わせています。
これにより、収入が基準を超えていないか、扶養の条件を満たしているかが確認されます。もし基準を超えていた場合、遡って扶養から外れ、健康保険料や医療費の返還を求められることもあります。
収入を隠すことはリスクがある
「申告しなければバレないだろう」と思っていても、情報は他の経路からも伝わる仕組みになっています。特に近年はマイナンバー制度により情報連携が強化され、収入の見逃しは減少傾向にあります。
意図的に収入を隠して扶養を続けることは、最悪の場合、不正受給と見なされ、ペナルティが発生する可能性もあるため、慎重な対応が必要です。
まとめ:税務署の情報は間接的に健康保険へ伝わる可能性がある
税務署が直接、健康保険の保険者へ情報提供することはありませんが、課税情報を通じて間接的に収入が把握される仕組みが整っています。扶養に入っている場合は、収入の管理と報告に注意し、ルールに則って適切な対応を心がけることが安心につながります。
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