長年加入していた保険を解約する際、「解約返戻金」と記載された書類が届くことがあります。しかし、実際にお金が戻るのか、戻らないこともあるのか、混乱する方も多いでしょう。この記事では、がん保険などを解約する際に返戻金が発生する仕組みや、返戻金がない場合でもその記載がされている理由について解説します。
解約返戻金とは何か?基本的な仕組み
「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」とは、保険契約を途中で解約したときに保険会社から戻ってくるお金のことを指します。契約期間や保険の種類、払込期間に応じてその金額は異なり、すべての保険で発生するわけではありません。
がん保険や医療保険などのいわゆる「掛け捨て型」の保険の場合、基本的に解約返戻金はゼロです。ただし、特約や契約内容によっては一部返戻金がある場合もあります。
「解約返戻金」と書かれていてもゼロのケースがある理由
書類に「解約返戻金」と項目が記載されていても、実際には金額が「0円」になることはよくあります。これは保険会社のフォーマットにおいて、すべての契約に共通で返戻金の欄が記載される仕様になっているためです。
つまり「記載されている=返金がある」とは限らず、「その欄に具体的な金額が記載されているかどうか」が重要です。記載が「0円」または空欄であれば、返戻金はないという意味になります。
返戻金がある可能性がある保険の例
- 終身がん保険:貯蓄型の場合、一部返戻金が設定されているケースがあります。
- 10年以上前の古い契約:契約当時は現在とは異なる設計の商品も多く、掛け捨てでないケースも。
- 払戻金付きの特約がある場合:まれに返戻金を受け取れる仕組みが付加されていることもあります。
これらに該当するかどうかは、保険証券や約款、保険会社のカスタマーセンターに問い合わせることで確認できます。
返戻金があるかを確認する方法
以下の方法で、返戻金があるかどうかを確認しましょう。
- 手元にある保険証券の「解約返戻金額」欄を確認
- 保険会社に電話・マイページ等から問い合わせ
- 書類に返戻金額が明記されているかチェック
また、家族から引き継いだ契約の場合は、契約者名義が変更済みかも大切な確認ポイントです。
万が一返戻金がある場合の注意点
返戻金が発生する場合、その金額に応じて「課税対象」となることがあります。また、解約したタイミングによっては、戻ってくる金額が少なくなることもあるため、解約の前に必ず試算や相談をしておくと安心です。
特に高齢の親が契約していたものを子が引き継ぐ場合、贈与や相続に関係する可能性もあるため、税理士などに相談するのも有効です。
まとめ:返戻金の有無は契約内容次第。まずは確認から
解約書類に「解約返戻金」と記載されていても、それだけでは返金の有無はわかりません。大切なのは「契約内容」「記載金額」「保険会社への確認」です。特に古い保険の場合、思わぬ返戻金が発生することもあるため、一度じっくり確認してから手続きを進めましょう。
返戻金がなくても保険料を無駄に感じる必要はありません。それまでの保障があったこと自体が価値と考え、今後の保険選びに活かしましょう。
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