株式投資を行う上で、利益に関する税金の取り扱いは避けて通れません。特に「20万円以上の利益で確定申告が必要」という話は広く知られていますが、実際にはケースによって異なるルールが存在します。この記事では、特定口座(源泉徴収あり)と確定申告の関係、そして年間利益20万円の基準や起算日の考え方を具体的に解説します。
特定口座(源泉徴収あり)なら基本的に確定申告不要
証券会社で特定口座(源泉徴収あり)を選択している場合、株の売買益に対しては証券会社が自動的に所得税と住民税を徴収して納税してくれます。そのため、原則として確定申告は不要です。
つまり、仮にFANG株を400万円で購入し、412万円で売却して12万円の利益が出た場合でも、源泉徴収ありの特定口座なら何も手続きしなくても問題ありません。
20万円の壁が関係するのは「源泉徴収なし」や「複数口座」の場合
よく言われる「年間20万円以上の利益で確定申告が必要」というのは、会社員など給与所得者で、他に20万円以上の所得がある場合に該当します。これはあくまで「源泉徴収がされていない収入」に限られます。
たとえば、源泉徴収なしの特定口座や一般口座を使って株を売却し、年間で20万円を超える利益が出た場合には確定申告が必要になります。
複数の証券会社を使っている場合は合算が必要
複数の証券会社に口座がある場合で、いずれかが「源泉徴収なし」特定口座や一般口座であれば、それらの口座で出た利益は合算して判断する必要があります。たとえば、12万円と10万円の利益が別口座で出た場合、合計22万円となり、源泉徴収なしであれば確定申告対象です。
ただし、すべての口座が「源泉徴収あり」であれば、合算の必要もなく、やはり確定申告は不要です。
確定申告の起算日と申告時期
確定申告は「その年の1月1日〜12月31日まで」の所得が対象です。つまり、2025年1月に売却した場合は2025年分の所得として、2026年の2月中旬から3月中旬に申告することになります。
起算日という言葉を使う場合、「1月1日」がその年の所得集計のスタート日になります。
確定申告が有利になるケースとは
特定口座(源泉徴収あり)でも、あえて確定申告をすることで税金が戻ってくるケースもあります。たとえば、損益通算や配当控除を受ける場合です。
例えばある証券口座で12万円の利益、別の口座でマイナス10万円の損失があった場合、それらを通算することで納税額を軽減できる可能性があります。
まとめ:特定口座と利益額を確認して適切な対応を
株式投資の利益に対する確定申告の要否は、「口座の種類」「利益の合計」「源泉徴収の有無」によって異なります。特定口座(源泉徴収あり)であれば、基本的に20万円を超えても申告は不要です。
しかし、他の口座や源泉徴収なしの場合は注意が必要です。複数の取引がある方や損益通算を検討している方は、国税庁のサイトなどで確認するか、税理士などの専門家に相談して正確な対応を行いましょう。
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