リウマチなど慢性疾患の治療は長期にわたるため、薬代や通院費が家計に大きな負担を与えることがあります。特に毎月数万円に及ぶ薬代は、年収が一定以上ある家庭でも見過ごせないコストです。今回は、年収700万円台の家庭でも利用可能な医療費軽減制度や活用すべきポイントを詳しく解説します。
高額療養費制度で月額自己負担の上限を抑える
公的医療保険には「高額療養費制度」があり、月々の医療費が一定額を超えた場合、その超過分が払い戻されます。年収約700万円の家庭(標準報酬月額28〜50万円)は、1カ月あたりの自己負担上限が約8〜9万円前後になります。
たとえば毎月の医療費が15万円かかっている場合、自己負担は約8.7万円程度に収まり、残りは後から返還される仕組みです。申請しないと払い戻しは受けられないため、必ず健康保険組合や協会けんぽ等に手続きを取りましょう。
「限度額適用認定証」で窓口負担を軽減
高額療養費制度は基本的に「事後精算」ですが、「限度額適用認定証」を取得すれば、あらかじめ自己負担上限までしか請求されません。手元資金に余裕がない場合や、高額治療が毎月続く方には必須です。
健康保険証を発行した保険者(会社の健保組合や国保窓口)に申請すれば、通常は1週間以内で交付されます。診療所・薬局いずれでも利用可能です。
自己負担を減らすもう一つの鍵:医療費控除
年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告で「医療費控除」が利用できます。これは支払った医療費の一部が所得から差し引かれ、所得税・住民税が軽減される制度です。
たとえば年間60万円の医療費を支払った場合、50万円が控除対象となり、納める税額が大きく減る可能性があります。家族分をまとめて申請できる点もポイントです。
公的補助以外にも知っておきたい制度
・自立支援医療制度(精神通院医療)は対象外ですが、難病医療費助成制度に該当する可能性があるか医師に相談してみましょう。リウマチの中には、特定疾患に分類されるものもあります。
・高額療養費貸付制度:後から高額療養費が戻るまでの間、無利子で医療費を借りられる制度。急な入院・治療費に備える手段として活用できます。
実例:年収700万円世帯の活用シナリオ
東京都在住、30代主婦が関節リウマチの治療を月5万円継続中。高額療養費制度と限度額認定証により、実質の自己負担は月3万円弱に軽減。さらに医療費控除を活用し、年間約8万円の所得税・住民税が減額された事例も。
このように複数の制度を組み合わせることで、想像以上に家計負担は抑えられます。
まとめ:制度を知っていれば、治療費は怖くない
リウマチの治療には継続的な費用がかかりますが、高額療養費制度や医療費控除など公的支援制度を活用することで、その負担は大幅に軽減できます。特に、年収700万円台の世帯でも十分に利用可能な仕組みが整っているため、まずはご自身の保険組合に相談し、制度を漏れなく活用することが大切です。
安心して治療を継続するためにも、「情報」と「手続き」をしっかり押さえておきましょう。
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