親からの支援でマイホームの取得資金を受け取る際、気になるのが贈与税の非課税制度です。特に新築住宅の場合、建物だけでなく土地代にも適用できるのか、いつまでに何をすればいいのか、判断が難しい点もあります。今回は「住宅取得等資金贈与の非課税制度」について、実例とともにわかりやすく解説します。
住宅取得等資金贈与の非課税制度とは
親や祖父母など直系尊属から、住宅の取得や新築のために資金援助を受けた場合、一定の条件を満たせば最大1,000万円まで贈与税が非課税になる制度です(2025年時点)。対象となる住宅は、省エネ・耐震・バリアフリー性能を有するか、あるいはそれに準ずる基準を満たす必要があります。
非課税の適用を受けるためのスケジュールと条件
この制度を活用するには、贈与された年の翌年の3月15日までに「住宅に居住を開始すること」が原則の条件です。たとえば2025年中に贈与を受ける場合、2026年3月15日までに実際にその住宅に住み始めている必要があります。
また、贈与を受けた翌年の確定申告期間中(通常2月16日~3月15日)に、所定の書類とともに申告手続きを行う必要があります。
土地代への支払いも非課税の対象になる?
非課税制度の対象は「住宅取得等のための資金」とされており、建物本体だけでなく、土地の取得費用も含まれます。そのため、贈与を受けたお金を新築のために購入した土地に充てる場合でも、非課税の対象になります。
ただし注意点として、住宅の新築または取得と一体であることが求められます。単なる土地の購入だけで終わってしまう場合は対象外となる恐れがあるため、後に住宅を建築し、入居する意思と実行があることが前提です。
実際の流れと贈与タイミングの注意点
例えば2025年8月に土地の購入代金を支払う場合、親からの贈与を受けた日が2025年中であれば、その支援金を非課税対象として扱うことができます。翌年3月15日までに住宅が完成し、実際に居住を開始していれば、非課税の適用を受けられます。
ただし、贈与を受けた年と居住の年がずれてしまうと適用外となるため、贈与のタイミングと住宅完成・入居のタイミングは慎重に調整する必要があります。
申告時に必要な書類と手続き
非課税の適用を受けるには、以下の書類が必要です。
- 贈与税の申告書(非課税適用欄を記入)
- 住宅取得資金に充てたことを証明する書類(売買契約書や領収書)
- 登記事項証明書
- 居住の事実を示す住民票
- 贈与者との関係が確認できる戸籍謄本など
これらを整えて、贈与を受けた翌年の2月16日〜3月15日に税務署で申告を行います。郵送やe-Taxでも可能です。
まとめ:早めの計画と確認がトラブル回避のカギ
住宅取得等資金贈与の非課税制度は非常に有利な制度ですが、適用にはスケジュール管理と正確な手続きが求められます。特に贈与と住宅取得のタイミングには注意し、土地代も含めて非課税を受けるには「住宅を建てて入居する」ことが前提になります。
不明点がある場合は、税務署やファイナンシャルプランナーに早めに相談して、安心して親の支援を活用できるように準備しましょう。
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