退職後に発生する手続きは複雑に感じるかもしれませんが、流れを整理すればスムーズに進めることができます。特に失業手当を受け取る際には、配偶者の扶養に入れるかどうかという問題が関わってくるため、収入基準と保険制度の理解が不可欠です。
失業手当と健康保険の扶養条件
配偶者の扶養に入るためには、被扶養者の年間収入が130万円未満であることが原則です。ただし、失業手当を受給中は、その日額が3,612円以上であると扶養には入れないと定められています。これは被保険者本人に収入があると見なされるからです。
つまり、失業手当の受給期間中は配偶者の健康保険の扶養には入れず、自分自身で国民健康保険に加入する必要があります。
退職後に必要な3つの主な手続き
失業手当の受給がある場合、退職後すぐに以下の手続きを行う必要があります。
- 国民健康保険への加入:お住まいの市区町村役所で手続き可能です。会社の健康保険をやめた日から14日以内が目安です。
- 国民年金への加入:第1号被保険者として年金加入が必要です。こちらも役所で同時に手続きできます。
- ハローワークでの求職申込・失業手当の手続き:離職票を持参して申請し、条件に応じて受給開始となります。
特定理由離職者の優遇措置
配偶者の転勤などによる退職(特定理由離職者)は、通常の離職と異なり給付制限がなく、待機期間の7日後からすぐに失業手当の支給が開始されるメリットがあります。これはハローワークで特定理由離職者と認定された場合に適用されます。
該当する場合は、退職理由や証明書類をしっかり準備して申請することが大切です。
失業手当終了後の扶養入りとその手続き
失業手当の受給が終了し、収入がゼロまたは130万円未満(見込み含む)となった場合は、再度配偶者の扶養に入ることが可能です。健康保険組合や協会けんぽに申請し、必要書類を提出することで認定されます。
このとき同時に、国民健康保険の脱退および国民年金の第3号被保険者への変更手続きも必要になります。こちらも市区町村役所および年金事務所で行うのが一般的です。
夫の扶養に入るタイミングの注意点
失業手当が終了したタイミングで扶養に入れるように、受給終了の証明書(失業給付支給終了通知書など)を準備しておきましょう。これが健康保険の被扶養者認定に必要な場合があります。
また、被扶養者として認められるのは「今後も継続的に収入が基準以下であると見込まれる場合」に限られるため、今後の就労計画がある場合は注意が必要です。
まとめ
退職後に失業手当を受け取る場合、原則として配偶者の健康保険の扶養に入ることはできません。このため、国民健康保険と国民年金への加入が必要です。その後、失業手当の受給が終了したら、扶養入りの申請を行うことで再び家族の保険に加入できます。手続きが多く感じられるかもしれませんが、一つずつ順を追って行えば問題ありません。
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