株式や投資信託、ゴールド、仮想通貨など様々な資産運用を行う中で、利益にかかる税金は大きな関心事です。特に「一律20%の税率で計算してよいのか?」「仮想通貨は累進課税なのか?」といった疑問を持つ人は多いでしょう。この記事では、投資における税制の基本と具体的な税率の仕組みを分かりやすく解説します。
株式・投資信託など金融商品は基本的に分離課税
日本の税制では、上場株式、ETF、投資信託(特定口座・一般口座を問わず)の譲渡益や配当所得に対しては「申告分離課税」が適用されます。税率は、所得税15.315% + 住民税5% = 合計20.315%です。
たとえば、1,000万円の利益が出た場合の税額は約203万円、残る利益は約797万円という計算になります。利益が1億円でも税率は変わらず、約2,031.5万円が課税されます。累進課税ではなく一律の税率が特徴です。
一般口座と特定口座の違い
特定口座(源泉徴収あり)の場合、証券会社が納税まで代行してくれるため手間がありません。一般口座では自分で確定申告が必要となりますが、税率は変わりません。
ただし、一般口座では計算ミスや税務署からの問い合わせリスクもあるため、特定口座の方が一般的には無難とされています。
ゴールド(貴金属)の課税はどうなる?
金地金などの売却益については、譲渡所得として総合課税される可能性がありますが、実際には税務上は「生活用動産」に該当しないため、50万円を超える売却益があれば課税対象になります。
ただし、金ETFなど金融商品としてのゴールド投資は前述の金融商品と同じく20.315%の申告分離課税です。
仮想通貨(ビットコインなど)は総合課税で累進課税
仮想通貨の利益は雑所得として総合課税され、給与所得などと合算されて課税されます。累進課税のため、所得が高くなるほど税率が上がり、最大で約55%(住民税含む)になる可能性もあります。
例えば、年収500万円のサラリーマンが仮想通貨で500万円儲けると、合計1,000万円の所得となり、高い税率が適用されます。
その他の投資商品とその課税方法
- 債券(国債・社債)も金融商品扱いで20.315%の申告分離課税。
- 不動産投資の家賃収入は不動産所得として総合課税。
- FX(外国為替証拠金取引)は申告分離課税(20.315%)。
商品によって申告方法も税率も異なるため、投資の種類ごとに税制を理解することが重要です。
まとめ:資産形成には税制知識が必須
投資による利益には基本的に「20.315%の申告分離課税」が適用されますが、仮想通貨や不動産収入などは総合課税・累進課税の対象となります。
資金力がある人ほど有利に見えますが、税制をうまく理解し、税務署や専門家に相談することで節税の工夫も可能です。投資戦略に応じて、税制も見据えた資産形成を心がけましょう。
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