妻が2つの保険証を持っているのは二重加入?扶養と勤務先の社会保険の仕組みを徹底解説

社会保険

「妻が自分の扶養に入っているのに、勤務先からも保険証が届いた」──このような状況は、一見すると“二重加入”に見えがちですが、実は社会保険のルールを理解すれば仕組みが見えてきます。この記事では、扶養と勤務先での社会保険の関係について、制度の基本とともにわかりやすく解説します。

そもそも「被扶養者」とは何か?

健康保険における「被扶養者」とは、主に生計を一にしている家族のうち、一定の収入要件を満たした場合に保険料負担なしで加入できる制度です。

年収130万円未満(または月収108,334円未満)で、かつ被保険者(あなた)の収入の1/2未満であることが扶養認定の基準となります(※60歳以上や障害者は条件が異なります)。

勤務先から保険証が発行されるケース

妻がパート勤務などで一定の勤務条件を満たすと、たとえ扶養内で働くつもりでも、勤務先側が社会保険の加入対象として自動的に加入させることがあります。

たとえば、

  • 週20時間以上勤務
  • 年収106万円以上
  • 勤務先の従業員数が101人以上
  • 継続1年以上の見込み

これらを満たすと「短時間労働者の社会保険適用拡大」の対象となり、強制的に被保険者扱いになります。この場合、勤務先の保険に自動的に加入され、保険証が交付されます。

この状態は「二重加入」なのか?

保険証が2枚手元にあると、「2つの健康保険に加入しているのでは?」と思いがちですが、正式には“どちらか一方”しか有効になりません

具体的には、勤務先の社会保険に自動加入した時点で、扶養扱いは解除されるべきです。もし事務手続きが遅れて両方の保険証が手元にある場合は、どちらかの保険者に連絡し、適切な状態へ整理が必要になります。

よくある実例と対処法

事例①:パート先から社会保険に自動加入 → 夫の会社の保険組合に連絡して扶養削除の手続きを申請。

事例②:収入が130万円未満なのに保険証が交付された → 勤務先が誤って加入させた可能性 → 勤務先と保険組合に確認。

事例③:両方の保険証を使ってしまった → 医療機関への訂正依頼+保険者へ状況説明。

適切な状態に戻すにはどうすればいい?

まず、妻の勤務先の社会保険加入状況を確認しましょう。もし加入済みであるなら、夫の扶養から外す手続きが必要です。会社の人事部や保険事務担当に相談し、状況を整理してください。

逆に、勤務先の保険加入が誤りだった場合は、勤務先に修正手続きを依頼し、不要な保険証は返却する必要があります。

まとめ:扶養内でも勤務条件次第で社会保険加入になる

妻が扶養内で働いていても、勤務先での条件を満たせば社会保険に加入となり、保険証が交付されることはあります。この場合「二重加入」にはならず、自動的にどちらか一方が有効になります。

両方の保険証が手元にある状態は、事務的な手続きミスやタイムラグによるものが多いため、必ず会社や保険者に相談して整理を進めましょう。

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