働いている時と無職の時で税金・保険料はどう変わる?住民税・年金・健康保険の違いを解説

国民健康保険

会社員として働いていたときと、退職して無職になったときとでは、住民税・国民年金・国民健康保険などの負担額に違いがあるのか気になる方は多いでしょう。特に「無職の方が負担が高くなる」という話を聞くと不安になります。今回は、それぞれの制度の仕組みを解説し、どういった違いがあるのかをわかりやすく紹介します。

住民税:前年の所得で決まる仕組みに注意

住民税は「前年の所得」に基づいて課税されるため、無職になってもすぐに減額されるわけではありません。例えば、2024年に退職した場合、2023年の収入をもとに計算された住民税を2024年6月から支払うことになります。

つまり、前年にしっかり収入があった人ほど、退職後もしばらくは高額な住民税を支払う必要があるという点に注意が必要です。

国民年金:無職でも原則として支払い義務あり

無職になると厚生年金から外れ、原則として「国民年金」に加入することになります。国民年金は所得に関係なく定額制で、2025年度の保険料は月額約17,000円程度です。

収入がゼロでも支払義務がありますが、収入が少ない場合は「免除申請」が可能です。全額または一部免除が認められることがあるため、忘れずに市区町村役所で手続きしましょう。

国民健康保険:前年所得と世帯構成で決まる

無職になって健康保険の任意継続を選ばなかった場合、原則「国民健康保険(国保)」に加入します。国保の保険料は、前年の所得と世帯の人数などによって決まります。

たとえば、前年に高収入だった場合、退職して収入がゼロになっても、保険料は高額なままになることがあります。こちらも市区町村に「減免申請」が可能な場合があるので、窓口で相談するとよいでしょう。

無職時の支出が高く感じる理由

無職になった直後は、働いていた時の所得を基準に課税されるため、収入がないのに税金や保険料の支払いが多く、「無職の方が高い」と感じることがあります。しかし、制度上は前年の所得に対して課税される仕組みが背景にあるため、時間の経過とともに軽減されていく傾向にあります。

また、収入がないときほど「免除・減免制度」を活用しやすいため、きちんと申請をすれば大きな負担を回避できる可能性があります。

実例:退職後にかかる費用をシミュレーション

たとえば年収300万円の会社員が3月末で退職した場合、以下のような費用が発生します。

  • 住民税:約15万円(年間)を6月から分割で支払い
  • 国民健康保険:約20万円(年間)
  • 国民年金:月額17,000円(申請で免除可)

このように、退職直後は月に数万円単位の固定支出が続くため、貯金がない場合は要注意です。

まとめ:無職になると支払いは減る?増える?

無職になると、税金や保険料は必ずしもすぐに安くなるわけではありません。特に退職直後は「前年の所得」が基準となるため、住民税・健康保険料ともに高額になることがあります。

しかし、免除・減免制度を積極的に活用することで、負担を軽減することは十分可能です。困ったときは遠慮なく自治体窓口や年金事務所に相談しましょう。

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