住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、マイホーム購入者にとって大きな節税メリットとなる制度です。しかし、制度の適用期限や内容は時代の経済状況や政策方針により変化するため、2026年以降にどうなるのかが気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、現行制度の概要をおさらいしつつ、今後の見通しや変更の可能性について解説します。
現行の住宅ローン控除制度の概要
住宅ローン控除は、一定の要件を満たした住宅ローン残高に対して所得税や住民税の一部が控除される制度です。2022年からは制度の見直しが行われ、主な変更点は以下の通りです。
- 控除率:年0.7%(以前は1.0%)
- 控除期間:原則13年間(新築等)
- 住宅の省エネ性能等に応じて借入限度額が変動
- 所得制限:原則2,000万円(合計所得)
これらの内容は2025年末までの入居分が対象となっており、2026年以降の取り扱いはまだ正式には決定されていません。
2026年以降も住宅ローン控除は継続される?
政府の住宅政策や過去の動向から判断すると、住宅ローン控除が完全に廃止される可能性は低いと見られています。少子高齢化・地方移住促進・省エネ住宅普及といった政策の一環として、住宅取得支援は今後も重視されると予想されます。
ただし、控除内容の縮小や所得制限の強化、省エネ性能要件の厳格化などは十分考えられるため、今後の税制改正大綱などの情報には注視が必要です。
今後予想される主な変更点
2026年以降に考えられる制度変更のポイントをまとめると、以下のようになります。
- 控除率の再見直し:低金利継続に伴い、さらに引き下げられる可能性も。
- 省エネ性能要件の拡充:ZEHや長期優良住宅など、環境性能の高い住宅がより優遇される方向に。
- 控除期間の短縮:新築と既存住宅で差をつける形に変更の可能性。
- 所得制限の厳格化:より高所得者層への支援縮小の動き。
実際、2022年の制度改正では既にこのような方向性が打ち出されています。
金利動向と控除メリットの関係
住宅ローン控除の魅力は、控除額がローン金利よりも高い「逆ざや」にあるとされていました。しかし近年は、住宅ローン控除の控除率(0.7%)よりも低金利(変動型で0.3%前後)が一般的になっています。
このため、制度を活用しても必ずしも金銭的に得とは限らず、「資産形成」や「住宅性能」を含めた総合的な視点での判断が重要になります。
将来の制度に備えてできること
2026年以降の住宅ローン控除が不透明な今、確実に制度を活用したい方は2025年末までの入居を目指すという選択肢も有効です。
また、今後の制度変更に備え、省エネ住宅や長期優良住宅の取得を優先することで控除額の最大化を図ることができます。
具体的には、断熱性能の高い住宅、再生可能エネルギー設備のある住宅を検討することがポイントです。
まとめ:2026年以降の住宅ローン控除は注視を
住宅ローン控除は今後も継続される可能性が高い一方で、控除率や所得制限、省エネ要件の厳格化など、制度内容は変わっていくと見られます。
2026年以降に住宅取得を検討している方は、財務省や国土交通省の発表を定期的に確認し、早めの情報収集と計画的な準備を進めることが重要です。
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