ご家族が年金受給中に亡くなった場合、生前に支給対象となる期間の年金が未払いであれば「未支給年金」として遺族が受け取れる制度があります。今回は未支給年金の受け取りについて、いつもらえるのか、手続きの流れや必要書類について詳しく解説します。
未支給年金とは?
未支給年金とは、年金受給者が亡くなった後に、その方が生きていた期間に本来受け取るはずだった年金を、遺族が代わりに請求して受け取る制度です。これは年金制度の中でも重要な救済措置の一つであり、手続きをすれば正当な権利として支給されます。
例えば偶数月の15日に支払われる年金のうち、亡くなる直前の期間(たとえば4月~6月)分がまだ振り込まれていなければ、その分が未支給年金の対象になります。
未支給年金の受け取り対象者
未支給年金を請求できるのは、以下の順序に該当する親族です。
- 同居していた配偶者
- 同居していた子
- 同居していた父母
- 同居していた孫、祖父母、兄弟姉妹、その他の3親等内親族
「同居していた」ことが非常に重要な条件であり、別居している親族は原則として対象外となります。質問のケースでは、申請者が同居していた子であるため、受け取る資格があります。
支給までの時期とスケジュール
未支給年金は、通常、年金事務所への請求手続きを完了してからおおよそ2~3か月後に指定口座に振り込まれます。ただし、書類に不備があるとさらに遅れる可能性があるため、提出前に慎重な確認が必要です。
たとえば、6月20日に亡くなった場合、6月分までの年金が支給対象となり、7月以降の年金は停止されます。申請が7月中に完了した場合、早ければ9月ごろに振り込まれることが想定されます。
必要書類と手続きの流れ
未支給年金の請求に必要な主な書類は以下の通りです。
- 未支給年金・未支払給付請求書
- 亡くなられた方の年金証書
- 請求者と故人の関係がわかる戸籍謄本
- 同居していた事実を証明する住民票(世帯全員分)
- 請求者の本人確認書類(運転免許証など)
- 振込口座の通帳コピー
手続きは最寄りの年金事務所に提出する必要があります。窓口での提出が基本ですが、郵送でも受け付けてもらえる場合があります。
申請の注意点とよくあるトラブル
未支給年金は「請求しないと支払われない」仕組みであるため、忘れずに申請することが大切です。請求期限は死亡から5年以内と定められていますが、できるだけ早めに手続きすることをおすすめします。
また、書類の不備で手続きが遅れるケースが多いので、事前に年金事務所に必要書類を確認しておくと安心です。
まとめ:未支給年金は確実に手続きをして受け取りを
未支給年金は遺族の大切な財産であり、条件を満たせば確実に受け取れる制度です。故人が生きていた間の年金分は、申請を忘れず、必要書類を準備して提出すれば、通常2~3か月以内に受け取れます。
不安がある場合は、[参照] 日本年金機構の公式サイトや、最寄りの年金事務所に相談することで、よりスムーズな手続きが可能です。
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