損害保険といえば「自動車保険」「火災保険」など個人向けのイメージが強いかもしれません。しかし、大手損保会社の売上の多くは法人向けビジネスに支えられています。本記事では、損保会社がどのように法人と関わり、何を提供しているのかをわかりやすく解説します。
法人向け損害保険の主な種類
法人向けには、事業運営にかかわるさまざまなリスクをカバーする保険商品が用意されています。代表的なものには以下があります。
- 火災保険(企業財産総合保険):工場・倉庫・オフィスなどの施設を火災・落雷・風水害などから守る。
- 賠償責任保険:製造業やサービス業などで事故により第三者に損害を与えた場合に備える。
- サイバー保険:情報漏洩やサイバー攻撃による損失を補償。
- 建設工事保険、輸送保険、労災上乗せ保険など、業種別に特化した保険も多数存在します。
法人営業の具体的な仕事とは
損保会社の法人営業は、企業の経営リスクを洗い出し、それに応じた保険の提案・設計・契約・更新などを行う仕事です。顧客は中小企業から上場企業まで幅広く、「リスクマネジメントのパートナー」としての役割が求められます。
たとえば製造業の企業に対しては、製品のリコールに関する賠償保険の提案を行い、さらに万一の対応マニュアル策定まで支援することもあります。
事故対応やリスクマネジメントも重要な業務
営業といっても単に保険を売るだけではありません。法人営業では事故が起きた際の現地対応や、再発防止の助言、時には社内セミナーを企画するなど、「保険+α」の付加価値が求められます。
損保会社には、事故の統計データをもとに事故発生率を下げるためのコンサルティング機能もあり、これも営業のサポート業務として使われます。
求められるスキルとキャリアパス
法人営業には、経済学や経営学、法務、会計、リスク管理の知識が求められます。また、企業の経営層と交渉するため、論理的思考力やプレゼン力、信頼関係構築力も重要です。
キャリアとしては、営業から支店長・本社企画部門・リスクアドバイザー・海外法人勤務など、幅広い道があります。
具体例:法人営業の1日
ある東京海上日動の法人営業社員の1日はこんな感じです。
- 9:00 出社・メールチェック
- 10:00 製造業クライアント訪問(保険内容見直し提案)
- 12:00 顧客とランチミーティング
- 14:00 保険事故対応の報告資料作成
- 16:00 リスクマネジメントチームと打合せ
- 18:00 退社
訪問・提案・調整業務など幅広い動きを求められる仕事です。
まとめ:損保法人営業は社会を支える縁の下の力持ち
損害保険の法人営業は、企業のリスクを管理・軽減する重要な役割を果たす仕事です。表には出にくいですが、企業活動を支えるインフラ的な存在として高い社会貢献性とやりがいがあります。
経済学部志望の学生にとっても、保険業界は専門性を活かしながら幅広いビジネスフィールドで活躍できる魅力的な選択肢のひとつです。
コメント