育児休業後の退職と失業手当の受給条件:複雑なケースも解説

社会保険

育児休業を取得した後に退職を検討している方にとって、失業手当の受給資格や期間についての情報は重要です。特に、育児休業が長期間にわたる場合や、休業中に職場復帰が困難となった場合など、複雑なケースでは注意が必要です。

育児休業後の退職と失業手当の受給資格

育児休業後に退職した場合でも、一定の条件を満たせば失業手当を受給することが可能です。主な条件は以下の通りです。

  • 退職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること。
  • 退職後、すぐに就職できる状態であり、積極的に求職活動を行っていること。

ただし、育児休業中は賃金の支払いがないため、その期間は被保険者期間に含まれません。しかし、病気や育児などで賃金の支払いを受けられなかった期間が30日以上ある場合、その日数分だけ算定対象期間が延長されます。これにより、育児休業後でも失業手当の受給資格を得ることができます。

失業手当の受給期間と金額の計算方法

失業手当の受給期間(所定給付日数)は、退職理由や年齢、被保険者期間によって異なります。一般的な受給期間は以下の通りです。

被保険者期間 所定給付日数
10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

失業手当の金額は、退職前の6ヶ月間の賃金を基に計算されます。具体的には、賃金日額(6ヶ月間の総賃金÷180)に、年齢や賃金水準に応じた給付率(50%〜80%)を掛けた金額が、1日あたりの基本手当日額となります。

育児休業給付金と失業手当の関係

育児休業給付金は、職場復帰を前提として支給される制度です。そのため、育児休業中に退職を申し出た場合、その時点で給付金の支給は終了します。ただし、育児休業を満了し、復職後に退職した場合や、育児休業終了後に退職を申し出た場合は、給付金を満額受け取ることができます。

また、育児休業給付金の受給期間は、失業手当の受給期間とは別にカウントされます。したがって、育児休業給付金を受給後に退職し、失業手当の受給資格を満たしていれば、続けて失業手当を受給することが可能です。

注意点と手続きのポイント

失業手当の受給には、ハローワークでの手続きが必要です。退職後、速やかに最寄りのハローワークに出向き、求職の申し込みを行いましょう。また、育児や病気などで30日以上働けない場合は、受給期間の延長申請が可能です。延長申請は、働けない状態が続いている間に行う必要があるため、早めの手続きが重要です。

さらに、育児休業給付金の不正受給には注意が必要です。最初から退職を予定していたにもかかわらず、育児休業給付金を受給した場合、不正受給とみなされ、返還を求められる可能性があります。育児休業の取得時点では復職を予定していたが、その後事情が変わり退職することになった場合は、不正受給には該当しません。

まとめ

育児休業後に退職する場合でも、条件を満たせば失業手当を受給することが可能です。育児休業中の期間は被保険者期間に含まれませんが、30日以上の賃金不支給期間がある場合、算定対象期間が延長されるため、受給資格を得られる可能性があります。退職後は速やかにハローワークで手続きを行い、必要に応じて受給期間の延長申請を行いましょう。育児休業給付金と失業手当の制度を正しく理解し、適切な手続きを行うことが大切です。

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