株式投資などで得られる配当所得には所得税と住民税が関係しており、証券会社で源泉徴収されている場合でも、納税通知書が届くことがあります。この記事では、配当所得の課税区分、確定申告との関係、住民税が通知される仕組みについて、実例を交えてわかりやすく解説します。
配当所得の課税方法と3つの選択肢
配当所得には以下の3つの課税方法があります。
- 総合課税:給与などと合算し累進課税される
- 申告分離課税:上場株式等の配当について20.315%の税率
- 源泉分離課税:証券会社が源泉徴収し確定申告不要
証券会社の特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は、通常「源泉分離課税」で完結するはずですが、申告分離課税を選択した場合は確定申告が必要であり、住民税についても再計算されます。
源泉徴収済みの住民税が納税通知書に反映されない理由
住民税は市区町村が計算するため、所得税とは処理経路が異なります。たとえ証券会社で源泉徴収されていても、住民税の計算には確定申告の情報が必要です。
しかし、確定申告書では「住民税については申告不要」とするチェック欄があり、これにチェックしないと自動的に申告分離課税として処理され、源泉徴収分が考慮されないこともあります。
実際に発生した納税通知書の誤解の例
たとえば、配当金のある方が「申告分離課税」で確定申告したところ、住民税の納税通知書が届き「二重課税では?」と困惑する例があります。
原因は「住民税の申告不要制度」を利用していなかったため、市区町村側が住民税を課税対象とみなし、通知書に反映させたケースです。
確定申告で住民税をコントロールする方法
確定申告書には「住民税・事業税に関する事項」欄があり、「配当所得は住民税に申告しない」旨をチェックすることで、住民税には反映されません。
これにより、証券会社で源泉徴収された住民税が最終税額として取り扱われ、市区町村から別途請求されることはなくなります。
対処法:納税通知書が届いてしまったら
すでに住民税の納税通知書が届いた場合でも、誤って住民税が計算されているケースでは「更正の請求」や「住民税の申告不要制度」の適用依頼が可能です。
住民税の課税内容について疑問がある場合は、国税庁や市区町村の税務課に確認し、源泉徴収済みの住民税の扱いについて相談してみるとよいでしょう。
まとめ:配当所得の住民税は自己申告がカギ
配当所得に対する住民税は、たとえ証券会社で源泉徴収されていても、確定申告時の住民税申告区分により、納税通知書で再度請求される場合があります。
住民税の「申告不要制度」を正しく利用し、納税負担を抑えるためには、確定申告時のチェック漏れを防ぐことが重要です。税制の仕組みを理解し、適切な処理を心がけましょう。
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