高齢期の収入源として重要な年金制度。特に65歳以上の専業主婦が受け取る遺族年金や老齢年金については、金額や制度の仕組みが分かりにくく、将来の不安を感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、老齢基礎年金と遺族厚生年金の受給額の実例を踏まえ、生活保護との違いについてもわかりやすく解説します。
老齢基礎年金と遺族厚生年金の基本的な違い
まず理解しておきたいのは、老齢基礎年金と遺族厚生年金は異なる制度ということです。老齢基礎年金は、20歳から60歳までの国民年金の加入実績に基づいて支給される年金で、自分自身が積み立てた年金です。
一方、遺族厚生年金は、亡くなった配偶者が厚生年金に加入していた期間中の納付実績に基づいて支給される遺族のための年金です。これは配偶者が遺してくれた“保障”のような性格があります。
受給額の実例|月額10万円という考え方は妥当?
実際の例として、老齢基礎年金が月額69,308円、遺族厚生年金が年額約39万円(月額3万2,500円)というケースでは、合計月額は約10万1,800円になります。よって、「月に10万円くらい受け取れる」という考え方はおおよそ正しいと言えます。
ただし、遺族厚生年金の金額は配偶者の年収や加入期間、被保険者の死亡時点の状況によって大きく異なるため、あくまで参考額として考えておくと良いでしょう。
生活保護の方がもらえるというのは本当?
生活保護は、最低限の生活を保障する制度であり、収入が少なく生活に困窮している人が対象です。高齢者単身世帯での生活保護の支給額は、地域によりますが月額約12万円〜13万円程度になる場合もあります。
そのため、年金だけで生活している場合に「生活保護の方が多くもらえる」と感じる方がいるのは事実です。ただし、生活保護は自治体の審査があり、資産や扶養義務者の有無も確認されます。誰でも簡単に受けられる制度ではありません。
遺族年金は非課税?他の制度との関係もチェック
遺族年金(遺族厚生年金・遺族基礎年金)は、原則として非課税です。一方、老齢年金は課税対象になるため、住民税や国保料に影響が出ることがあります。
また、遺族年金を受給していても、国民健康保険や介護保険の保険料は支払う必要があります。これらの公的負担も含めて、老後の生活費の見通しを立てることが大切です。
親が教えてくれないお金のこと、自分で知る大切さ
年金や公的制度については、家族が教えてくれないことも多く、不安になる方もいます。ですが、制度を知ることで将来の選択肢が広がり、生活設計の安心感にもつながります。
「ねんきんネット」や年金事務所での相談、自治体の福祉窓口などを活用して、自分の受給見込額や支援制度について積極的に情報収集していくことが重要です。
まとめ|遺族年金と老齢年金で暮らす高齢者の収入と制度理解
65歳以上の専業主婦が受け取る老齢基礎年金と遺族厚生年金は、合計して月10万円程度になることが多いですが、それだけで生活するのは難しいと感じる方も少なくありません。生活保護との違いや申請条件を理解しつつ、公的支援制度を上手に活用することで、安心して老後を迎えることが可能になります。今のうちから制度を学び、準備を始めることが何よりの安心につながります。
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