自動車保険を契約する際、割引制度や等級の引き継ぎについては複雑に感じる方も多いのではないでしょうか。特に「A社→B社→またA社」と保険会社を乗り換えた場合、元のA社での契約が“新規扱い”になるのか、それとも“継続扱い”になるのか、気になるところです。今回はその仕組みや注意点について詳しく解説します。
自動車保険の等級制度とは?
自動車保険では、多くの保険会社が共通して「等級制度(ノンフリート等級)」を採用しています。等級とは過去の事故歴などに応じて割引率が決まる制度で、初めて契約する場合は6等級(一般)からスタートし、1年間無事故なら等級が1つ上がり、保険料が割引されていきます。
逆に事故を起こせば等級が下がり、保険料が割増されます。この等級は「契約者ごと」に管理されており、保険会社を変更しても引き継ぎが可能です。
他社に移ってから元の保険会社に戻ると新規扱いになる?
たとえば以下のようなパターンを考えます。
- 1年目:A社で自動車保険に加入
- 2年目:B社に切り替え(等級継続)
- 3年目:再びA社に戻る
このようなケースでは、等級が継続されていれば“新規扱い”にはなりません。A社は過去の契約履歴を確認し、等級情報が中断されていなければ、そのまま前年度の等級(または進んだ等級)で契約が可能です。
ただし、契約時に「他社からの継続」であることを申告し、前契約の証明(保険会社が発行する「継続証明書」や「保険期間証明書」など)を提出する必要があります。
例外:中断証明や空白期間があると新規になることも
以下のようなケースでは、等級が引き継げず、新規扱いになる可能性があります。
- 保険契約が1年以上中断していた
- 中断証明書を取得していないまま解約した
- 一時的に車を手放し、保険が失効していた
このような場合、等級は「リセット」され、6等級からの新規契約となり、割引は適用されません。等級の有効期限は中断後3年間が目安とされているため、それを超えると等級は失効します。
等級を引き継ぐためのポイント
再度同じ保険会社に加入する際でも、等級を引き継ぐためには次の点に注意しましょう。
- 等級証明書(契約内容証明書)を忘れずに提出
- 申込時に「他社からの継続」であることを明記
- 満期日・始期日をしっかり合わせる(空白期間をつくらない)
これらを守っていれば、A社に戻っても再び6等級からスタートすることにはなりません。
まとめ:会社を変えても等級があれば“新規割引”にはならない
自動車保険の乗り換えをしても、等級さえ継続されていれば、どの会社でも「継続契約」として扱われ、新規割引の対象とはなりません。つまり、「A社→B社→A社」の場合でも、等級が維持されていれば新規にはなりません。
保険会社を選び直す際は、等級の引き継ぎが確実に行われているか、保険証券や契約書類をもとにしっかり確認しておきましょう。
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