扶養内で働く条件と社会保険加入の境界線を正しく理解しよう|派遣勤務者向けガイド

社会保険

扶養内で働きたいと考えている方にとって、労働時間や給与の調整は非常に重要なポイントです。特に派遣やパートでの勤務はシフトの影響を大きく受けやすく、社会保険の加入条件に知らず知らず抵触してしまうこともあります。今回は、社会保険や扶養内労働の基礎知識と、実際に起こり得るケースを交えて、働き方の注意点を解説します。

扶養内で働く場合の「社会保険」の加入基準とは

扶養内で働きたいとき、特に注意すべきは「健康保険」と「厚生年金」の加入条件です。社会保険に加入が義務付けられる条件は、以下の5つ全てを満たした場合です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月収が88,000円以上
  • 勤務期間が2ヶ月を超える見込み
  • 学生でないこと
  • 従業員101人以上の企業に勤務(※2024年10月以降は51人以上に変更予定)

この中でも特に重要なのが「88,000円以上」と「週20時間以上」という2点です。たとえば時給1,260円で週24時間働けば、月約120,960円となり、この時点で2条件を満たしてしまいます。

「2ヶ月更新」契約での社会保険加入の可否

派遣や短期契約では「2ヶ月更新」というケースも多いですが、加入の判断は「見込み」ベースで行われます。つまり、明確に2ヶ月以上働く予定があると判断された場合、社会保険加入対象となる可能性があります。

そのため、たとえ「契約は2ヶ月ごと」となっていても、実態として継続的に勤務が続いている場合は、保険加入が求められることがあります。

月によって収入を抑えれば扶養内で働けるのか

月によって収入や労働時間を変えることは可能ですが、社会保険の判断は「継続性」や「平均収入」で行われる場合が多いため、一時的に収入を下げても加入対象から外れるとは限りません。

たとえば、7月に141,000円稼ぎ、8月から88,000円未満に抑えても、「年間を通じた平均」や「初月の勤務状況」が影響する可能性があるため注意が必要です。

雇用保険の加入ラインと88,000円の違い

社会保険とは別に、「雇用保険」は週20時間以上働くと原則として加入義務が生じます。給与額には関係なく、時間ベースで判断される点が異なります。

7月の勤務が週24時間の場合、すでに雇用保険の加入要件を満たしているため、加入していなければ後から加入手続きが必要になる可能性があります。

扶養を維持するためにすべき具体的対策

扶養の範囲内で働きたい場合、事前に次のような対応をしておくことが重要です。

  • 派遣会社と契約時に扶養内を明確に伝える
  • 週20時間未満、月88,000円未満で働くシフトを組む
  • 月によってバラつきがないよう継続性に注意
  • 初月から高収入にならないよう事前調整する

シフト変更や就業条件は書面で残すことをおすすめします。トラブルになった際に、条件を証明する材料になります。

まとめ:扶養内での勤務は「時間」「収入」「継続性」に要注意

扶養内で働くことは可能ですが、そのためにはシフトの組み方や収入の調整が不可欠です。特に社会保険の加入条件である「週20時間以上」「月88,000円以上」という基準は、少しのズレでも超えてしまう可能性があります。

派遣会社とのコミュニケーションを密に取り、初月から計画的に働くことで、希望する働き方を実現しましょう。もしトラブルが起きた場合には、労働基準監督署や社会保険事務所などに相談するのも有効です。

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