大学進学を機に一人暮らしを始め、住民票を移したことで思わぬ保険の重複加入が発生するケースがあります。特に「マル学(学生健康保険特例措置)」に該当する学生が新住所地の役所で国民健康保険(国保)への加入を勧められることは珍しくありません。本記事では、マル学制度の仕組みと二重加入を防ぐための対応方法について解説します。
マル学制度とは?
マル学とは、学生本人が親の扶養で健康保険に加入している場合、就学のために住民票を移しても国保に加入する必要がないという特例制度です。主に大学進学で一人暮らしを始めた学生が対象で、親の勤務先の健康保険に被扶養者として加入していることが条件です。
この制度により、本来なら住民票のある市区町村で国保に加入義務があるはずの学生も、扶養のままでいられる仕組みになっています。これがいわゆる「マル学」制度です。
引っ越し先の役所で国保を勧められる理由
役所の窓口では、住民票の情報だけで判断されることが多く、マル学に該当する学生であることを自ら申告しないと、国保への加入を促される可能性があります。
特に住民票を移した直後は、親の健康保険に加入しているという情報が行政システムで即座に反映されないこともあるため、誤って二重加入状態になってしまうこともあります。
二重加入の影響とマイナンバーとの関連
仮に国保に誤って加入した場合でも、マイナンバーと保険情報が連携されることで、保険の重複が後日判明する可能性があります。ただし、この連携にはタイムラグがあり、二重に保険料を請求されるリスクがあるため、早急に対処する必要があります。
すでに二重加入が疑われる場合は、どちらか一方の保険を解除し、保険料の過払いがある場合には還付請求を行うことが可能です。
正しい対処方法と役所での手続き
もし国保に加入してしまった場合、次のような対応を行うことをおすすめします。
- 親の健康保険の保険証コピーを持参し、「マル学該当者」であることを申告
- マル学対象の申請書を役所で提出
- すでに発生している保険料については還付請求の相談
ほとんどの自治体では、マル学であることが確認されれば国保の資格をさかのぼって喪失させ、請求を取り消してもらえる場合があります。
トラブルを防ぐためのポイント
こうしたトラブルを避けるには、以下の点を押さえておきましょう。
- 住民票を移す前に、マル学の仕組みを理解しておく
- 役所での手続き時に必ず親の保険証コピーを提示
- 何かあれば市役所の国保課に早めに相談
特に新生活が始まる春先には同様のトラブルが多発するため、少しでも不安があれば自治体の窓口で相談することを強くおすすめします。
まとめ:マル学制度を理解してスムーズな保険管理を
進学と一人暮らしに伴う住民票の移動は、思わぬ行政手続きの混乱を招くことがあります。マル学に該当する場合は、自己申告が基本であり、それを怠ると国保に重複加入されるリスクが高まります。
万一、保険料の二重請求が発生しても落ち着いて対応すれば問題解決は可能です。制度を正しく理解し、必要な手続きを行うことで、安心して学生生活を送ることができます。
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