築90年の木造住宅が空き家となり、火災保険に加入するよう求められたとき、多くの方が「本当に必要なのか?」「誰が払うべきなのか?」と疑問を抱きます。本記事では、空き家における火災保険の意義や、名義と費用負担の関係について詳しく解説します。
空き家に火災保険が求められる理由
空き家といえども、火災や自然災害のリスクはゼロではありません。特に木造住宅は火災リスクが高く、近隣への延焼による損害賠償請求が発生する可能性もあります。
実際に、2023年に発生した空き家の火災では、所有者が数百万円の損害賠償を負った事例もありました。このようなケースから、火災保険は「自衛手段」として重要視されています。
名義が違う家の保険に入るのはアリか?
火災保険は原則として「建物の所有者」が契約者になるのが一般的ですが、第三者名義での契約も特約などを通じて可能です。
今回のように、祖父の所有であっても、実質的に家を管理する立場にある家族が契約することは保険会社によっては許容されるケースもあります。ただし、契約者が保険金を受け取れるかは、保険契約の内容によって異なります。
年7万円の保険料は高い?費用対効果を考える
空き家の火災保険で7万円という金額は、建物の構造や所在地、補償内容によっては妥当な額とも言えます。特に木造で築年数が古く、延焼リスクが高い場合、保険料が高くなる傾向にあります。
費用対効果を考える際は、「火災時に近隣へ損害を与えた場合のリスク」を想像することが重要です。一度の火災で1000万円単位の賠償が発生する可能性があるなら、保険料7万円は決して高くないという判断も成り立ちます。
祖父母の資金で支払っていいのか?
祖父母の財産で火災保険をまかなうこと自体は、資産の管理・維持という意味で合理的です。問題は、その支出が本人の意思や家族間で合意されているかです。
もし祖父母の判断能力に問題がなく、「火災保険は必要だから支払って良い」と明確に意志を示していれば問題ありません。ただし、判断能力が低下している場合は、成年後見制度の利用を検討した方が良いケースもあります。
保険解約の判断はどうすべきか
祖父母の資金が底をついた場合、火災保険を解約する判断も一つの選択肢です。ただし、家の所有権が残っている限り、火災や賠償リスクは続きます。
万が一に備えた最低限の補償内容に変更して、保険料を抑えるプランも保険会社に相談すれば可能なことがあります。安易に「解約一択」ではなく、補償と費用のバランスを見極めましょう。
まとめ:空き家の火災保険は「保険」以上の意味を持つ
空き家における火災保険は、「将来のトラブル回避」のための重要な備えです。所有者との名義の違いや費用負担については、家族間での話し合いと合意形成が大前提です。
年7万円が高いと感じるなら、補償内容の見直しや他社への乗り換えも含めて検討しましょう。最終的な判断は、資産の保全と家族の納得を軸にするのが理想的です。
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