社会人として数年が経過し、少しずつ貯金も増えてくると「奨学金を一括で返済した方がいいのか?」と悩む人は少なくありません。今回は、貯金が200万円あり奨学金が72万円残っているというケースを例に、どのように判断すべきかをわかりやすく解説します。
奨学金一括返済のメリット
まずは一括返済を選んだ場合の利点を整理してみましょう。最大のメリットは、精神的な負担が軽くなることです。「借金がない」という状態は心理的な安心感をもたらします。
さらに、奨学金には利息がついているタイプもあるため、一括返済によって将来的な利息負担を軽減できる場合があります。また、毎月の返済がなくなることで、自由に使えるお金が増え、家計の柔軟性が高まります。
分割返済を継続するメリット
一方、あえて一括返済をせず、計画通りに分割で返し続けるという選択にもメリットがあります。大きいのは、手元に十分な生活防衛資金を残せるという点です。
たとえば突然の病気や転職など予期せぬ出費に対応できる「安心資金」として、100万円前後は確保しておくのが一般的に推奨されています。そのため、一括返済によって手元資金が減るとリスクが高まる可能性もあるのです。
返済利率や残期間も重要な判断材料
奨学金の利率が低ければ、わざわざ一括返済しなくても金利負担は少ないため、分割返済を続けても大きな損にはなりません。逆に利率が高い場合は、早めの返済で節約効果が得られます。
また、すでに返済が残り1~2年程度なら、月々の支払いも軽く、あえて一括で完済する必要性は低いとも言えます。自分の残返済期間をチェックし、それに合わせて戦略を立てましょう。
200万円の貯金で一括返済は可能か?
今回のように「貯金200万円」「奨学金残高72万円」の場合、手元に128万円残るので、生活費3~6か月分の目安(60~100万円)を確保しながらも完済可能です。
特に、他に大きな支出予定(引越し、結婚、車購入など)がないのであれば、奨学金完済は選択肢として十分現実的です。
判断するためのチェックポイント
- 奨学金の利率は高いか?(例:0.5%以上)
- 返済残期間は長いか?
- 将来の大きな出費予定がないか?
- 完済後も生活防衛資金が残るか?
これらに「はい」が多ければ、一括返済は前向きな選択肢となります。
まとめ:一括返済は計画性とバランスがカギ
奨学金の返済において大切なのは、感情だけでなく、金利や貯金額、ライフイベントとのバランスを考えることです。貯金200万円を持つ社会人3年目であれば、無理なく完済可能な状況かもしれません。ただし、すべてを返済に充ててしまうと「もしも」の時の備えがなくなるため、生活費3〜6か月分は残すように心がけましょう。
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