歯科矯正にかかった費用は、条件を満たせば「医療費控除」として確定申告の対象となります。しかし、うっかり申告し忘れてしまった場合でも、まだ諦める必要はありません。税務署に相談すれば、過去分でも申告ができる可能性があります。この記事では、歯科矯正費用の医療費控除を確定申告し忘れた場合の対処法について詳しく解説します。
医療費控除とは?歯科矯正も対象になる?
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超える場合に、所得から差し引いて税金を軽減できる制度です。歯科矯正も、機能的な改善(噛み合わせや発音の矯正など)を目的とした治療であれば、控除の対象になります。
美容目的(見た目を整えるのみ)の矯正は対象外ですが、子どもの矯正や医師が治療と判断したケースであれば問題ありません。
申告忘れでも「5年以内」なら還付申告が可能
医療費控除の申告を忘れた場合でも、過去5年以内であれば「還付申告」として申請が可能です。たとえば、2022年分(令和4年分)の医療費であれば、2027年12月31日までに申告すれば還付を受けられる可能性があります。
2021年分(令和3年分)であれば、2026年末までが期限です。つまり、「一昨年」「昨年」ともにまだ間に合うということになります。
申告の方法と必要書類
確定申告は税務署窓口でも、郵送でも、e-Tax(電子申告)でも行うことができます。外出が難しい場合でも、e-Taxを利用すれば自宅からの手続きが可能です。
必要な書類は以下のとおりです。
- 医療費の領収書(歯科医院のもの)
- 源泉徴収票(給与所得者の場合)
- 医療費控除の明細書(国税庁のサイトで作成可能)
- 本人確認書類(マイナンバーカードや免許証など)
e-Taxを利用する場合、マイナンバーカードまたはID・パスワード方式が必要になります。
税務署に相談することも可能
初めての申告で不安な場合は、税務署に電話で事前相談することもできます。確定申告期(2〜3月)以外でも還付申告は受け付けてもらえるため、時期をずらして相談するのもおすすめです。
電話相談の際には、課税年、支払金額、治療内容の概要を伝えるとスムーズです。「歯科矯正の医療費控除を申告し忘れたのですが、今からでも手続きできますか?」と伝えましょう。
実際の事例:30代会社員が2年分の申告で5万円以上の還付
東京都在住の30代女性は、子どもの歯科矯正に50万円を支払いましたが、医療費控除を忘れていたことに後から気づきました。税務署に電話相談し、e-Taxで2年分を還付申告。結果的に、住民税と所得税の合計で約5万円の還付を受けられたといいます。
このように、申告の手間はありますが、対応するだけのメリットは十分にあります。
まとめ:歯科矯正の確定申告は過去分でもまだ間に合う!
歯科矯正にかかった費用が医療費控除の対象になるかどうかは、治療の目的によって決まります。確定申告を忘れてしまった場合でも、過去5年以内であれば還付申告が可能です。税務署への相談やe-Taxの活用を通じて、申告を進めていきましょう。大きな金額の支出であれば、節税効果も期待できますので、早めの対応をおすすめします。
コメント