自動車保険は万が一の事故の備えとして欠かせない存在ですが、保険を使うことでその後の保険料がどれだけ変化するのかは気になるところです。特に軽微な修理であっても保険を使うべきかどうか、迷う方も多いのではないでしょうか。
任意保険で保険を使うと翌年の保険料はどう変わる?
任意保険では、保険を使うことで「等級」が下がり、翌年以降の保険料が高くなる可能性があります。例えば、現在20等級(無事故割引の最大等級)であれば、事故を起こして保険を使うと3等級ダウンして17等級になります。
この等級ダウンに伴い割引率も下がり、保険料が大幅に上がることがあります。一般的には、事故1回で保険料が年間で1万〜5万円程度アップすることも珍しくありません。
修理費7万円で保険を使うと損か得か?
仮に7万円の修理費がかかり、保険を使うことで3年間で保険料が合計で6万円上がるとすると、実質的には保険を使ったことで損をしていることになります。
実際に月4,000円の保険料が事故後に月6,000円になった場合、差額は月2,000円、年間で24,000円、3年間では72,000円にもなります。これでは7万円の修理費を保険でカバーした意味がなくなってしまいます。
等級と保険料の関係を具体的に理解しよう
等級制度は1〜20まであり、等級が上がるごとに割引率が大きくなります。事故を起こすと3等級下がり、さらに事故有係数(事故歴あり割増)も適用されるため、2重に保険料が高くなるのです。
例えば、20等級で50%割引だった人が17等級になると、割引率は約40%に。さらに事故有係数で追加の割増が発生し、実質30%台の割引しか受けられなくなることもあります。
保険を使うべきかどうかの判断基準
保険を使うかどうかは、損得だけでなく、今後の保険の利用予定や自身の経済状況も踏まえて判断する必要があります。以下のような基準が参考になります。
- 修理費が10万円未満 → 自費の方が得なことが多い
- 今後も無事故を目指す → 保険を使わない方が保険料を抑えられる
- 事故相手がいる・高額になる → 迷わず保険を使うべき
なお、保険を使うかどうか迷った場合は、保険会社に「保険を使うと来年の保険料はいくらになるか」を試算してもらうのも一つの方法です。
車両保険のタイプによっても変わる影響
車両保険には「一般型」と「エコノミー型」があり、カバー範囲や補償内容が異なります。保険を使っても等級が下がらないケース(等級据え置き事故)もありますが、今回のような自己修理の場合は通常の事故扱いになり、等級は下がると考えた方がよいでしょう。
特約や契約内容によっては「1回目の事故は等級据え置き」などの条件があることもあるので、契約書を確認することが大切です。
まとめ:7万円程度なら保険を使わず自費修理が得策な場合も
保険を使うことで翌年以降の保険料が上がることを考えると、修理費が7万円程度であれば、自費修理の方がトータルコストを抑えられる可能性が高いです。
ただし、事故の内容や契約条件によっては保険を使う方が適切な場合もあります。最終的には、保険会社と相談しながら慎重に判断することが賢明です。
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