「あなたの口座がマネーロンダリングの疑いを受けた」「送金を解除するために保証金を支払ってください」──こうした連絡を受け取った経験はありませんか?近年、このような手口で高額な“保証金”を請求し、最終的に何も得られないという悪質な詐欺が横行しています。本記事では、マネーロンダリングを口実にした詐欺の仕組みと、被害を防ぐための対応策を解説します。
よくある詐欺の構造:保証金名目の前払い要求
この手の詐欺では、「高額な送金がある」「その送金が一時保留されている」「解除するには一部の保証金が必要」といったストーリーが使われます。支払いを急かし、被害者に冷静な判断をさせないよう誘導するのが常套手段です。
今回の例で言えば、283,272円の保証金を支払えば、2,171,756円が送られてくるという説明ですが、これは明らかに現実離れしており、根拠もありません。
マネーロンダリングという言葉を悪用した心理トリック
「マネーロンダリング」や「財務部」など、金融機関風の用語を使うことで、相手を信じさせようとするのがこの詐欺の特徴です。実際には、金融庁や銀行が個人に保証金を求めて口座凍結を解除することは絶対にありません。
また、文面には「85%は会社が負担」「1時間以内に送金」など、都合の良いフレーズが並んでおり、冷静に読めば不自然な点が多数あります。
実例:同様の詐欺被害にあったケース
60代女性Fさんは、「海外資産を受け取るには手数料を払ってほしい」との案内に応じ、保証金名目で30万円を振り込んだものの、その後は音信不通。警察に相談したが、すでに口座は凍結済みで返金も不可能でした。
このような詐欺では、口座名義人が架空名義や他人の名義であることも多く、犯人を特定するのが困難な場合もあります。
万一連絡を受けたら取るべき行動
- お金は絶対に振り込まない
- 一人で判断せず、家族や専門機関に相談する
- 警察の生活安全課や消費生活センターへ通報
- 振込先口座を記録し、情報提供する
特に「この場ですぐ判断してください」といった急かす表現がある場合は要注意。詐欺業者はスピード勝負を仕掛けてきます。
本物と見分けるためのポイント
正規の企業や金融機関は、事前に説明なしで高額な保証金を請求することはありません。また、マネーロンダリングなどの疑いがある場合は、書面で正式な通達があり、必ず本人確認手続きが伴います。
「振り込みができない」などの名目で先払いを要求された時点で、詐欺を疑うべきです。金額の大小にかかわらず、冷静に確認しましょう。
まとめ:『保証金で送金解除』は詐欺の典型パターン
今回のようなメッセージは、金融機関風の体裁をとりながら、高額な保証金をだまし取る悪質な詐欺です。どれだけ魅力的な金額を提示されても、前払いを求められた時点で信用してはいけません。
少しでも不審に思った場合は、絶対に自己判断せず、周囲や警察・公的機関に相談することが、自分の資産と身を守る最善の方法です。
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