会社を退職した後、健康保険証を返却した状態で歯科通院を続けるとどうなるのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、退職後の健康保険の切り替え状況が歯科治療に与える影響や、保険証の有無が料金にどのように関係するのかについて詳しく解説します。
退職後の健康保険はどうなる?
退職すると、原則としてそれまで加入していた社会保険(健康保険)は資格を失います。保険証は会社を通じて返却する必要があり、以後は「無保険」状態になるため、速やかに国民健康保険への切り替え、または任意継続被保険者制度への手続きを行うことが重要です。
例えば、退職日の翌日から2週間以上無保険状態が続くと、その期間中に受けた医療費は全額自己負担となる可能性があります。保険証がないまま病院や歯科にかかると、通常3割の自己負担が10割負担に変わることになります。
歯科医院は保険加入の有無を確認できるのか
歯科医院では、患者が保険診療を希望する場合、必ず健康保険証の提示を求められます。保険証がなければ保険診療として扱えず、自動的に自由診療(全額自己負担)扱いとなります。つまり、保険証を提示しない限り、医院側は「無保険」と判断します。
特に保険適用の範囲にある治療(虫歯治療、クリーニングなど)であっても、保険証がなければ保険点数による計算ができないため、自由診療料金が適用されます。
矯正治療中の料金は保険に関係するのか
成人の歯列矯正は基本的に自由診療の範囲に入ります。そのため、社会保険や国民健康保険の加入有無に関わらず、毎月のメンテナンス料や治療費は原則として変わりません。
例えば「毎月3,300円」のメンテナンス費用が設定されている場合、それが保険診療ではない自由診療であれば、保険証の有無による変動はありません。ただし、矯正中に虫歯や歯周病の治療を併せて行う場合、それらは保険診療対象となる可能性があるため、保険証の提示が求められます。
保険未加入のまま治療を受けるとどうなる?
保険未加入の状態で保険適用治療を受けた場合、全額自己負担になる可能性があります。例として、通常の歯のクリーニングが保険適用で1,500円程度の負担で済むところ、無保険では5,000〜8,000円程度かかることもあります。
ただし、診療後に保険加入手続きが完了した場合、後日領収書などをもとに「療養費」の申請を行うことで、一部の費用が還付されるケースもあります。各自治体や加入保険者の規定に従って申請が必要です。
国民健康保険への切り替えは速やかに
退職後14日以内にお住まいの市区町村役所で国民健康保険の手続きを行うことが推奨されます。必要な書類としては、退職日が記載された離職票または退職証明書、本人確認書類などが必要です。
任意継続の選択肢もありますが、保険料や保障内容によっては国民健康保険のほうが有利なケースもあります。収入が減る時期でもあるため、保険料軽減措置の有無も確認しましょう。
まとめ:矯正中でも保険手続きは重要
たとえ現在の治療が自由診療である矯正治療であっても、他の治療や急な病気に備えて保険加入は欠かせません。保険証の返却後は、速やかに国保への切り替えまたは任意継続の手続きを行い、万が一に備えることが重要です。
矯正中の月額費用に変動がない場合でも、保険証の提示が必要な治療が発生する可能性を考え、適切な保険管理を心がけましょう。
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