扶養の判定や社会保険の加入義務に関して「見込み年収」が大きな影響を与えることをご存知でしょうか。特にアルバイトやパートで働く方にとっては「どこまで働けば扶養を外れるのか?」という点が気になるはずです。この記事では、見込み年収が90万円の場合に扶養のままでいられるのか、社会保険加入義務があるのかについて、わかりやすく解説します。
そもそも扶養に入る条件とは?
扶養といっても「税法上の扶養」と「健康保険の扶養」では条件が異なります。まずはそれぞれの扶養条件を確認しましょう。
- 税法上の扶養(扶養控除):年間所得が48万円以下であること(給与のみの場合、給与収入103万円以下)
- 健康保険上の扶養:年間収入が130万円未満であること(※60歳以上や障がい者は180万円未満)
この2つを混同しないよう注意が必要です。
見込み年収90万円の場合、扶養はどうなる?
見込み年収が90万円程度であれば、以下のような扱いになります。
- 税法上の扶養:103万円未満なので問題なし
- 健康保険上の扶養:130万円未満なので引き続き扶養内
したがって、見込み年収が90万円の場合、基本的にはどちらの扶養も外れることはありません。
ただし、実際の収入ペースや将来的な増加見込みによって判断が変わることもあるため、勤務先や保険組合への相談が安心です。
3ヶ月連続で15万円稼ぐとどう見られる?
たとえば、6月以降の3ヶ月で合計45万円(15万円×3)を稼いだとします。この場合、年収換算すると180万円という判断になることもあります。
社会保険の扶養判定では「直近の収入状況から今後の年収見込みを推定」するため、継続して15万円程度の収入があると判断されれば、扶養から外れる可能性があります。
ただし、「臨時的な収入」や「一時的な短期雇用」と見なされれば、年収換算の対象外となるケースもあります。
社会保険への加入義務が発生するケース
パートやアルバイトでも、次の条件を満たせば社会保険への加入が必要です。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が88,000円以上
- 勤務期間が2ヶ月を超える見込み
- 勤務先の従業員数が101人以上(※2024年時点)
たとえば、8月〜12月までの5ヶ月間、週20時間以上かつ月10万円以上稼いでいる場合は、社会保険に加入が必要となる可能性があります。
勤務先の規模や契約内容によっても異なるため、必ず人事担当や総務に確認を取りましょう。
扶養を維持したい場合のポイント
扶養内で働きたい場合は、次の点を意識して働くのがおすすめです。
- 年間の収入見込みを常に確認する
- 働き方が一時的か継続的かを明確にする
- 月ごとの収入が増えたら、早めに家族の保険者や税務上の扶養者に相談
「3ヶ月だけ多く稼いだ」というケースでも、長期的に見ると扶養に影響する可能性があるため、事前の確認が重要です。
まとめ:収入のペースが扶養判定のカギ
見込み年収が90万円程度であれば、原則として扶養から外れる心配はありません。しかし、収入のペースや就業の継続性が扶養・社会保険の判断に影響するため、「今後も同じペースで働く見込みがあるかどうか」が重要なポイントになります。
収入が増える兆しがある場合は、できるだけ早めに職場や保険組合に相談して、扶養の可否や保険加入の必要性を確認しましょう。
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