近年、所得制限による「○万円の壁」というワードをよく目にします。2025年には新たに「150万円の壁」も話題に上がっていますが、これは本当に存在するのか、特に大学生や多子世帯にはどう影響するのかが気になるところです。この記事では、扶養や税金、社会保険の仕組みに加えて、多子世帯支援制度との関係も詳しく解説します。
「150万円の壁」とは何か?制度の背景を整理
「150万円の壁」とは、パートやアルバイトなどで収入が150万円を超えると、配偶者控除などの税制優遇が縮小・消滅するラインを指します。ただしこれは配偶者が対象の制度であり、大学生など扶養されている子どもには基本的に直接関係ありません。
大学生が注意すべきなのは「103万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」などの年収制限です。これらは税金や社会保険加入の条件に直結するため、働き方によって親の扶養から外れてしまう可能性があります。
大学生が気にすべき「年収の壁」一覧
年収の壁 | 影響 |
---|---|
103万円 | 所得税がかかる/親の所得控除対象から外れる |
106万円 | 社会保険(厚生年金・健康保険)に加入義務(条件あり) |
130万円 | 親の社会保険の扶養から外れる |
つまり、「親と本人ともに税負担を増やさずにいたい」なら、基本的には年収を103万円または106万円以内に抑えるのが安全ということになります。
多子世帯への給付と収入制限の関係
3人以上の兄弟姉妹がいる世帯では、国や自治体から「多子世帯支援」の給付や補助が提供されているケースがあります。例えば、奨学金の給付型制度や、授業料無償化、保育料軽減などが該当します。
これらの制度は多くの場合、世帯全体の収入基準に基づいて判断されます。そのため、子どもである大学生が年間150万円近く稼いだ場合、家計合算による影響が出る可能性があります。
実例:20歳大学生・多子世帯の場合
例として、20歳の大学生がアルバイトをしており、年収見込みが145万円程度だとします。この場合、以下の影響が考えられます。
- 所得税が課税される(103万円超)
- 健康保険と年金加入義務(106万円超、週20時間・継続勤務などの条件が合致する場合)
- 親の扶養控除対象外になる可能性が高い
- 世帯収入が増えることで給付制限を受けるケースも
一方で、年収が100万円以内に収まっていれば、親の扶養に留まり、税金も社会保険もかからず、多子世帯給付も安心という状況を保てます。
大学生でも安心して働くための工夫
「将来のために稼ぎたい」「でも扶養や給付の不安もある」そんな大学生のために、以下のような対応策があります。
- シフト管理アプリなどを活用し、月ごとの収入を可視化する
- 親と情報を共有し、税務や保険の制度を一緒に把握する
- 大学のキャリアセンターや社会保険労務士に相談する
税金・保険・扶養に関する情報は年々変更があるため、最新の情報を確認することが重要です。
まとめ|150万円の壁は学生には直接関係しないが注意は必要
- 150万円の壁は主に配偶者控除の話で、学生には関係しない
- 学生が意識すべきは「103万・106万・130万」の3つの壁
- 多子世帯給付には世帯年収の影響があるため注意
- 働き方は調整できるよう、収入管理を徹底するのが賢明
将来のライフプランに支障をきたさないよう、今のうちから税と保険の知識をしっかり身につけておきましょう。
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