お金の貸し借りがSNSなど個人的な関係で行われるケースが増える中、銀行への組み戻し申請を活用する例も見られます。しかし、返済意思がある相手とのやりとりが食い違うと、トラブルに発展することも。本記事では、銀行の組み戻し申請に対する相手の対応が遅れた場合や、代替としてPayPayなどの別送金手段を選んだ際の取り扱いについて詳しく解説します。
組み戻しとは何か?基本的な仕組みを解説
「組み戻し」とは、振込の間違いや事情変更などで振り込み済みの金額を銀行に申請して取り戻す手続きです。これはあくまで「銀行が仲介する依頼」であり、受取人が承諾しない限りお金は戻ってきません。
たとえば誤送金や貸金返還の一環として申し出ても、銀行は受取人に意向を確認するに留まり、強制的に資金を戻すことはできません。
相手が指定期限までに応じない場合はどうなる?
銀行から受取人に対し、「○月○日までに組み戻しに応じてください」と通知が行われた場合、相手がその期限までに対応しなければ、申請はそのまま期限切れで終了する可能性が高いです。
銀行側も「任意の協力」に基づいて動いているため、返答がなければそのまま組み戻し不成立として扱われます。強制力のある差押えや債権回収ではない点に注意が必要です。
PayPayで代替送金する場合の注意点
相手が「PayPayで返済する」と言ってきた場合、送金が実際に完了すれば銀行への組み戻し申請は重複している状態になります。このようなケースでは、銀行に連絡して組み戻し申請を取り下げることが望ましいでしょう。
取り下げをしないと、相手に対し「二重請求」しているような印象を与える可能性があり、関係悪化やトラブルの原因になりかねません。
PayPay送金と銀行送金の法的な違い
PayPay送金は、電子マネーの個人間送金にあたり、銀行振込と異なり第三者機関による補償やトラブル対応が限られています。履歴や証拠を残すためには、以下の点に注意しましょう。
- 送金完了後にスクリーンショットを取得
- チャットやSNSで「○月○日にPayPayで返済しました」と明言
- 可能であればPDFで保管
特に貸金に関する返済では、証拠の有無が後の請求可否や裁判対応に大きく影響するため、記録を残す習慣を徹底しましょう。
期限を延ばしてほしいと言われたときの対応
相手が「7月15日まで待ってほしい」と述べている場合、その間に返済が実行される見込みがあるなら柔軟に対応するのも一つの選択肢です。ただし、連絡がつかない、返済に誠意が感じられない場合は、法的な手続きを視野に入れておくべきです。
内容証明郵便による返済請求や、簡易裁判所での少額訴訟などの手段も検討しておきましょう。
まとめ:組み戻しと代替送金の併用には注意が必要
銀行の組み戻しは返済トラブル解決の一手段にはなりますが、あくまで任意の承諾が前提です。相手が期限に応じない場合は、申請が自動で終了してしまうこともあります。一方、PayPay送金などで返済される場合は、速やかに組み戻し申請を取り下げることでトラブルを避けることができます。
貸金トラブルは証拠と記録が命です。どんな手段であれ、履歴を残しながら冷静に対応していくことが大切です。
コメント