給料明細と源泉徴収票の年収が違う理由とは?見落としがちな給与の仕組みを徹底解説

社会保険

毎月の給料明細と年末に受け取る源泉徴収票の金額が一致しないと、不安や疑問を感じる方も多いでしょう。特に生活が苦しくなった時や、ふとしたきっかけで給与明細の数字を見直した際に「こんなに違ってたの?」と驚くケースもあります。本記事では、そうした給与と年収のズレが起こる仕組みを、実例を交えて丁寧に解説します。

給料明細と源泉徴収票の年収が一致しない理由

給料明細は月単位での給与の詳細を示す書類であり、源泉徴収票は年間の課税対象となる給与をまとめたものです。この2つは目的が異なるため、見える数字にも違いが生じることがあります。

例えば、給料明細では交通費などの非課税手当が表示される場合がありますが、源泉徴収票では非課税分は含まれません。また、賞与(ボーナス)がある場合、給料明細では別に扱われていても、源泉徴収票ではすべて合算された金額で記載されます。

年収の計算方法と厚生年金の等級

厚生年金の保険料は、「標準報酬月額」に基づいて計算されます。これは月収を等級に分けたもので、実際の給与額とぴったり一致するとは限りません。4月〜6月の平均月収を基に等級が決まり、1年間その等級で保険料が決定されます。

例えば、月収が40万円であれば標準報酬月額は”38万円”や”41万円”など近い等級に丸められ、その金額で厚生年金保険料が計算されます。このため、月によって多少の変動があっても、厚生年金の金額は一定に見えるのです。

過去の給与とのズレに気づいたときの対処法

過去数年にわたり明細と源泉徴収票の年収が大きく違っていたと気づいた場合、まずは人事・給与担当部署に確認をしましょう。給与計算ソフトや業務委託先のミスという可能性もあります。

それでも納得がいかない場合は、労働基準監督署や年金事務所に相談することができます。特に厚生年金の等級に疑問がある場合は、過去の標準報酬月額の履歴を年金事務所で確認することが可能です。

控除後の金額と手取りの誤解

給料明細にある「手取り額」は各種控除後の金額であるため、これを12倍しても年収とは一致しません。年収とは「支給総額(=総支給額)」を意味するため、手取り額から税金や保険料を加算し直す必要があります。

たとえば、月の手取りが30万円でも、実際には社会保険料や所得税などで10万円近く引かれていれば、総支給額は約40万円になり、年間で480万円の手取りに対して年収は約650万円になる計算になります。

払い過ぎたお金は返ってくるのか?

もし誤って多くの税金や社会保険料が引かれていた場合、その分は確定申告や年末調整で精算されるのが通常です。とはいえ、申告がされていない、もしくは誤って計上されたままだと返ってきません。

疑問がある場合には、源泉徴収票と給与明細を照らし合わせ、税理士または税務署に相談すると良いでしょう。また、社会保険料については年金事務所に記録訂正の申請を行うことで、払い過ぎが判明すれば還付される可能性があります。

まとめ:給与明細と源泉徴収票のズレには理由がある

給与明細と源泉徴収票の金額が違うのは、多くの場合制度的な理由や計算方式の違いによるものです。しかし、なかには計算ミスや記録間違いが原因となっているケースもあるため、不安を感じたときは早めに確認・相談することが大切です。

正しい知識を持っていれば、自分の給与をしっかり把握し、不利益を防ぐことができます。まずは明細と源泉徴収票を丁寧に見直してみましょう。

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