年収1000万円を超える人でも「子育てが大変」「節約している」と口にする一方で、平均年収の人たちはどうやって日々の生活を成り立たせているのでしょうか?この記事では、平均年収世帯の実際の生活状況や支出内訳、そしてなぜ高収入層でも家計に悩むのかを解説します。
日本の平均年収はいくら?
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、日本の平均年収(全体)はおよそ443万円。正社員男性ではおよそ540万円、正社員女性では約390万円程度となっています。
ただしこの金額は、世帯単位ではなく個人単位の数字である点に注意が必要です。共働き世帯なら世帯収入は上がりますが、片働き・子育て世帯の場合は家計に余裕が出にくいのが実情です。
平均年収世帯のリアルな生活費の内訳
総務省の家計調査(2023年)を参考に、平均年収世帯の支出例を挙げてみましょう。
- 住居費:70,000〜100,000円
- 食費:60,000〜80,000円
- 光熱費:20,000〜30,000円
- 通信費:10,000〜15,000円
- 教育費:10,000〜30,000円(子どもがいる場合)
- 保険・医療費:10,000〜20,000円
- 交際費・娯楽費:15,000〜30,000円
このように、子育てや家のローン、教育費が加わると余裕のない家計になることが多く、「収入=生活のゆとり」とは限らないのです。
年収1000万円でも苦しくなる現実的な理由
一見余裕がありそうな年収1000万円世帯も、以下の理由で意外に節約生活を送っているケースが多いです。
- 税金と社会保険料が大きい:所得税・住民税・健康保険・厚生年金などで約3割以上が差し引かれます。
- 扶養控除が使えない:年収が高いと配偶者控除や児童手当が削減され、実質的な可処分所得が少なくなる。
- 教育費が重い:私立中学・高校・塾・大学進学などで年間数十万〜数百万円かかる。
たとえば、都心の私立中学に子どもを通わせている家庭では、1人あたり年間150万円以上の学費がかかるケースも珍しくありません。
独身・子なしとの生活コストの差
独身で子どもがいない場合、家賃や食費、趣味・交際費を自由に使えるため、体感的に「リッチ」な生活が可能です。
一方、家族を養う立場にあると、自分の自由にできるお金が極端に少なくなります。子どもが2人いれば、教育資金・生活費・将来の学費積立なども必要となり、年収が高くても「贅沢できない」現実があります。
平均年収世帯が実践する節約と工夫
生活を成り立たせるために、平均年収世帯ではさまざまな節約術を取り入れています。
- 格安SIMや電気・ガス会社の乗り換えで固定費削減
- 週末にまとめ買い・自炊で食費節約
- ふるさと納税やポイ活の活用
- 子どもの教育費は奨学金や公立校中心に計画
「年収が高ければ豊か」「年収が低いから苦しい」という単純な話ではなく、「使い方」「家族構成」「生活設計」によって家計の余裕は大きく左右されます。
まとめ:収入よりも可処分所得と生活設計が鍵
平均年収でも生活が成り立つのは、工夫と優先順位の付け方にあります。一方、年収1000万円でも支出が膨らめば、自由に使えるお金は驚くほど少なくなります。
重要なのは、見かけの年収ではなく「実際に自由に使えるお金(可処分所得)」をいかに有効に活用するかです。家計を見直し、将来を見据えた計画を立てることが、どんな収入層でも豊かに生きるための鍵となります。
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