育休手当(育児休業給付金)の仕組みと金額の決まり方|フリーター・正社員・ダブルワークの違いとは?

社会保険

育児休業を取った際に受け取れる「育休手当(正式名称:育児休業給付金)」は、働き方によって受給資格や支給額に差が出る可能性があります。特にフリーターやダブルワークをしている方は、仕組みが複雑に感じやすい部分です。この記事では、雇用形態別の違いや、正社員との支給額の比較、ダブルワーク時の取扱いなどを丁寧に解説します。

育児休業給付金の基本的な仕組み

育児休業給付金は「雇用保険」から支給される制度で、支給対象となるにはいくつかの要件があります。主な要件は次の通りです。

  • 雇用保険に1年以上加入していること
  • 育児休業前の2年間に、11日以上働いた月が12ヶ月以上あること
  • 育休中に会社から給与が8割以上支払われていないこと

また、支給額は以下のように計算されます。

育児休業開始から180日目までは賃金の67%、181日目以降は50%(上限・下限あり)

フリーターと正社員で育休手当に違いはある?

フリーターであっても、上記の条件を満たしていれば正社員と同様に育児休業給付金を受け取ることが可能です。大切なのは雇用形態ではなく、雇用保険の加入と就労実績です。

例えば、フリーターで社会保険に加入していて月給20万円の場合でも、1年以上同じ会社で働いていて雇用保険に加入していれば、支給対象になります。正社員と比べても、条件が同じであれば受け取れる金額に大きな差はありません。

給付金額の計算例:フリーターと正社員

【例1】正社員・月給20万円の場合。

育休開始から180日間:
200,000円 × 67% = 約134,000円/月
181日以降:
200,000円 × 50% = 約100,000円/月

【例2】フリーター・月給20万円の場合(雇用保険加入済み):
→ 計算式は正社員と同じ。

このように、給付金の額は勤務形態ではなく収入額と雇用保険の加入歴に基づいて決定されます。

ダブルワークの場合の育休手当はどうなる?

ダブルワークをしている場合は「育休を取得した勤務先の賃金を基に給付額が決まる」ため、すべての職場で育休を取得できるかが鍵となります。

【例】メイン(社保あり)月15万円、サブ月5万円
この場合、メイン勤務先でのみ育休を取得する場合は、給付額は15万円を基に計算されます。サブの勤務先を休業しない場合、その分の給与が8割を超えて支払われていると、減額や不支給になる可能性があります。

また、サブの勤務先も休業する場合は、両方での収入を基に給付額が上がる可能性もあるため、事前にハローワークや勤務先の総務と相談しておくことが重要です。

社会保険と雇用保険の役割の違いとは?

社会保険(健康保険・厚生年金)は医療費の軽減や年金の支給などに関係し、育児休業給付金の支給には直接関与しません。一方、育児休業給付金は「雇用保険」の制度の一部です。

つまり、社会保険に加入していても、雇用保険に加入していなければ育児休業給付金は受け取れません。雇用保険に加入しているかどうかを確認するには、給与明細や会社の人事担当に確認しましょう。

まとめ:育休手当を受け取るには「雇用保険」と「就労実績」がカギ

育休手当は、フリーターでも正社員でも、雇用保険に加入し一定の条件を満たしていれば受給可能です。金額に差が出るのは、働いていた会社の月収に基づくため、雇用形態による不利はありません。

また、ダブルワークをしている場合でも、育休を取得する職場と雇用保険の加入状況を正確に把握すれば、手当の受給は可能です。不安な方は、事前にハローワークでの相談を活用しましょう。

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