親の入院や施設入所に伴い、その支払いや手続きのために一時的に親のお金を預かることは珍しくありません。こうした場面で「自分の口座に振り込まれたら贈与税の対象になるのでは?」と不安になる方も多いでしょう。この記事では、親のお金を預かるときに贈与とみなされないための注意点や、贈与税の基本的な仕組みについて、実例を交えながらわかりやすく解説します。
贈与税とは?基本的な仕組みをおさらい
贈与税とは、個人から財産を無償でもらったときにかかる税金です。国税庁では、「贈与」とは贈与者の意思により財産を無償で与えることと定義されており、対価性がない場合に課税対象となります。
年間110万円を超える贈与については、受贈者(もらった側)に申告義務と納税義務が発生します。ただし、一時的な預かりや立替払いなど、実質的に本人のために使われるお金は贈与に該当しません。
親の医療・介護費用のために預かる場合は贈与にならない
親の入院費や施設利用料の支払い目的で、親の財産を一時的に子どもの口座で預かる場合、そのお金は親自身の支出目的で使用されるものであるため、原則として贈与には当たりません。
たとえば、以下のような使途であれば問題ないとされています。
- 入院・治療費の支払い
- 介護施設の入居費・月額利用料の支払い
- 介護サービス業者への支払い
こうしたケースでは、実質的な受益者が親本人であるため、名義だけが子の口座であっても贈与とは扱われないのが通例です。
贈与とみなされる可能性があるケースとは?
一方で、形式上は預かりであっても、税務署から贈与と判断されるリスクがあるケースも存在します。
以下のような状況では注意が必要です。
- 親からお金を受け取ったあと、子が自由に使っている
- 親の支払いに使う証拠が残っていない
- 預かったお金の使途があいまい
このような場合、預かった事実が客観的に証明できないと、後日「贈与とみなされる」可能性もあります。
贈与と疑われないための対策・工夫
親のお金を一時的に預かる場合は、次のような対策をとっておくと安心です。
- 振込や引き出しの記録を残す:通帳のコピーや振込明細を保管しておく
- 使途を明記したメモを残す:支払い先・金額・目的などを簡単に記録
- 親名義の支払い証明をそろえる:病院や施設からの領収書を親名義で発行
できれば、親名義の口座から直接引き落とす形が最も安心ですが、やむを得ず子の口座を経由する場合は上記のような工夫を心がけましょう。
まとめ|「一時的な預かり」は贈与にならないが、証明が大切
親の入院や施設入所に伴い、一時的にお金を預かることは贈与には該当しません。あくまで親のために使うことが明確であれば、税務上の問題は基本的に発生しません。
ただし、将来的な相続や税務調査の際に誤解を招かないためにも、「何のために預かったのか」「誰のために使ったのか」を記録に残すことが重要です。
不安な場合は、税理士などの専門家に事前に相談し、万全の対応を整えておきましょう。
コメント