退職後の生活資金に不安を感じたとき、真っ先に考えるのが手元の資産の見直しです。中でも、数年前に購入した国債を「今売っても大丈夫なのか」と悩む方は少なくありません。特に10年国債の途中解約には慎重さが求められます。今回は、10年国債の途中解約と元本割れの可能性、活用法や代替策についてわかりやすく解説します。
10年国債とは?基本的な仕組みを理解しよう
10年国債とは、国が10年間の期間で発行する債券で、個人でも購入可能な「個人向け利付国債(変動10年)」と、金融機関を通じて購入する「固定利付10年国債」などの種類があります。
特に個人向けの10年変動型国債は、安全性が高く、途中解約(中途換金)も可能というメリットがありますが、その際に気になるのが元本割れです。
中途換金で元本割れする?結論:原則しませんが利子調整があります
個人向け10年国債は、購入後1年が経過すれば中途換金できます。ただし、「元本割れ」は原則ありませんが過去2回分の利子相当額が差し引かれるため、満期まで持つよりも受取金額は少なくなります。
たとえば、利率が0.2%だった場合、1,000,000円の元本に対し年2,000円の利子。途中解約で2回分の利子(約1,000円〜2,000円)が差し引かれる可能性があります。
元本割れリスクがあるのは市場流通国債
一方、証券会社などで購入した「固定利付10年国債」を市場で売却する場合は、市場金利の影響を受けて価格が変動します。この場合、売却時の価格が購入価格を下回れば元本割れが発生する可能性があります。
市場金利が上がると、既発債の価格は下がるため、タイミングによっては大きな損になる場合も。売却前に証券会社などで現在の評価額を確認することが重要です。
手元資金に困ったときの代替案
「国債を解約したいけど、少しでも減らしたくない」そんなときは以下の方法も検討できます。
- 生活費の見直しや家計簿アプリの活用
- 一部の定期預金を解約して対応
- 失業手当や再就職手当の受給を申請
- 資格取得に関する給付金制度を活用(ハローワークなど)
すぐに資金が必要でなければ、中途換金は最終手段として温存するのも賢明な選択です。
10年国債の確認・換金方法
保有している国債がどのタイプか不明な場合は、購入した金融機関(銀行・証券会社など)に確認を。中途換金の申請もその金融機関で行います。
特定口座で保有している場合は、譲渡益課税の対象になるかどうかも確認しましょう。非課税扱いの場合、税金の心配はありません。
まとめ:焦らず情報を整理して判断しよう
10年国債の途中解約は基本的に元本割れのリスクは小さいものの、タイミングや種類によって損をすることもあります。自分がどのタイプの国債を保有しているか、換金時の注意点をよく確認した上で判断しましょう。
もし生活に必要な資金が急ぎで必要な場合は、国債を解約する前に他の方法も検討し、少しでも損失を抑える選択をしていきましょう。
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