日常生活の中で、思いがけない事故によって他人に損害を与えてしまうことがあります。たとえば、自宅のフェンスが倒れて他人の車を傷つけてしまった場合などです。こうしたケースで頼りになるのが「個人賠償責任特約」。この記事では、住宅設備の破損による損害と保険適用の可否について解説します。
個人賠償責任特約とは?
個人賠償責任特約とは、自動車保険や火災保険などに付帯できる補償で、日常生活における法律上の賠償責任が発生したときに、保険会社が代わりに損害を補償してくれるものです。
例としては、自転車事故、子どもが他人の物を壊した、飼い犬が他人を噛んでしまった…などがよく知られています。
老朽化フェンスによる事故は補償対象か?
原則として、自宅のフェンスが倒れて他人の車に損害を与えた場合は、法律上の過失責任が認められれば個人賠償責任特約の対象になります。
ただし、「経年劣化による損壊」などで過失がないと見なされた場合、保険適用外となるケースもあります。そのため、事故発生状況の調査結果や、保険会社の判断が重要です。
どの保険の特約でも対応できるの?
個人賠償責任特約は、火災保険や自動車保険など、契約している保険に付帯されていれば有効です。ただし、どの保険に紐づいているかにより、請求手続きや対応窓口が異なる場合があるため、確認が必要です。
また、同じ世帯で複数の保険に個人賠償責任特約が付帯している場合、補償を二重に受け取ることはできず、いずれか1契約からの支払いになります。
保険請求のために必要なこと
事故が発生したら、まずは保険会社に速やかに連絡し、事故の詳細を説明しましょう。その際、次の情報が求められます。
- 事故の発生日と場所
- 被害の状況(写真があるとベスト)
- 修理費用の見積書
- フェンスの管理状態や使用年数
保険会社によっては、現地調査や証明書の提出が必要になることもあります。
請求が通らないこともある?
個人賠償責任特約では、被保険者に「過失」が認められることが補償の前提です。老朽化による自然倒壊など、予見可能であったにも関わらず対処を怠ったと判断される場合は支払対象になることがあります。
しかし逆に、突風など不可抗力による倒壊や、明らかに予見できない事故と判断されると、「過失なし」として保険金が下りないケースもあります。
まとめ:老朽フェンスによる事故と保険の適用可否
個人賠償責任特約は日常生活の賠償リスクに幅広く対応してくれる補償ですが、「過失責任があるかどうか」が適用の鍵です。
- フェンス倒壊による損害は対象となる可能性が高い
- 保険会社の調査結果次第で不支給になることも
- 事故後は早急に写真や証拠を残して保険会社に連絡
念のため、自分の保険の約款を確認し、わからないことは担当者に聞いてみましょう。個人賠償責任特約は知らずに使わないのが最ももったいない補償の一つです。
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