昔に取得した株式を売却したとき、口座の種類や税金の扱いによって手続きが大きく変わります。この記事では、一般口座で株を売却した場合に必要な確定申告の有無や税金の支払い、扶養への影響などについて、初心者にもわかりやすく解説します。
株式売却における口座の種類と税金の違い
株取引には「特定口座(源泉徴収あり/なし)」「一般口座」があり、それぞれ税金の取り扱いが異なります。特定口座(源泉徴収あり)では証券会社が自動で税金を差し引くため、基本的に確定申告は不要です。一方で、一般口座は売却益や取得価格を自分で計算して申告が必要になります。
今回のように、取引履歴に「一般」と表示されている場合、たとえ特定口座を開設済みでも、その売却に関しては税金が自動で処理されていないと考えられます。
一般口座で売却した株は確定申告が必要?
売却益が発生している場合、一般口座での取引は原則として確定申告が必要になります。証券会社からの年間取引報告書が出ないため、自分で売却額・取得額・諸費用などを計算し、利益(譲渡益)を算出しなければなりません。
たとえば15年前に購入した株を180万円で売却し、取得価格が50万円だった場合、約130万円の利益が出たことになります。この利益に対して約20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金が課されます。
税金はいつ、どうやって支払う?
一般口座で発生した譲渡益については、確定申告の際に税額が確定し、3月15日までに申告し、翌3月中に納税します。支払い方法は銀行振込、クレジットカード、QRコード決済など複数あります。
なお、株式の譲渡で損失が出ていれば確定申告によって損益通算や繰越控除も可能です。ただしこれらも自己計算と申告が必要です。
今から特定口座へ変更はできる?
既に売却済みの取引は、後から口座区分を特定口座に変更することはできません。ただし、今後の取引に備えて「特定口座(源泉徴収あり)」の設定を再確認し、新たに得る株式については自動的に税金処理できるようにしておくと便利です。
証券会社のマイページで「特定口座の設定状況」や「登録済み口座区分」を確認し、必要に応じてカスタマーサポートに問い合わせましょう。
扶養への影響:株の売却益は見落としがち
所得が一定額を超えると扶養から外れる可能性があります。たとえば、配偶者控除の対象である場合、年間所得が48万円を超えると扶養対象外になる場合があります(住民税では35万円などの制限もあり)。
ここでいう「所得」は、株の売却益も含まれます。仮に180万円で売却して130万円の利益があった場合、この利益も「所得」としてカウントされるため注意が必要です。
初心者が気をつけたいポイント
- 売却前に「どの口座区分で売るか」を確認する
- 一般口座であれば、取得価格の証拠(当時の取引報告書など)を残しておく
- 確定申告ソフトや税理士に相談するとスムーズ
- 扶養条件(所得制限)に対する売却益の影響を事前に確認
特に古い持株は取得価格が不明になっていることも多く、申告が複雑になりがちです。
まとめ:一般口座の売却は自己責任。確定申告と扶養条件に要注意
一般口座での株式売却には、確定申告が必要なケースが多く、売却益が扶養条件に影響することもあります。手続きは少し面倒でも、必要な計算と申告をきちんと行うことで、余計なトラブルを防げます。困ったときは税理士やFP、証券会社に相談するのが安心です。
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