個人事業主でも失業保険はもらえる?扶養内パート退職後の注意点と対応策

社会保険

「パートを辞めて個人事業主として開業届を出したけれど、まだ収入がない…」というケースは、子育て中の方やキャリアの転換期にある方によく見られる状況です。こうした状態で失業保険(雇用保険の基本手当)を受給できるかどうかは、雇用保険の適用状況と開業の実態によって大きく左右されます。

基本原則:開業届を出すと「求職者」と見なされない可能性

雇用保険の失業給付を受けるには、「就職する意思と能力があり、積極的に求職活動を行っていること」が条件です。ところが、開業届を提出している=就業中と判断されやすく、基本的に失業状態とは認められません。

たとえ収入がゼロでも「開業した=働く準備が整っている状態」とみなされるため、原則として受給資格の対象外になります。

例外ケース:「就業実態がない」と判断されれば受給可能な場合も

ただし、実際に事業収入がなく、求職活動を行っていることが証明できれば、一時的に受給が認められる例も存在します。

【例1】開業届を出しているが、契約先や案件がなく開業準備段階である
【例2】求職活動をハローワークに報告し、「開業届を提出したが事業開始に至っていない」と説明した

このような場合、ハローワーク側の判断により、一定期間のみ失業認定が下りることもあります。

扶養内パートからの退職と受給資格の関係

扶養内パートでも、雇用保険に加入していた期間が12か月以上ある場合、失業保険の基本手当を受け取れる可能性があります。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 加入期間が週20時間以上・31日以上の雇用見込みだったか
  • 自己都合退職か会社都合退職か(待機期間が変わる)

これらの条件を満たしていれば、開業の有無に関係なく、雇用保険の受給申請は可能です。

今後の対応策:開業届を「取り下げる」ことも選択肢

もし失業保険の受給を優先したい場合は、一時的に開業届を取り下げるという方法もあります。開業届を取り下げた上で「開業準備中の求職者」として求職活動を継続し、ハローワークで正直に状況を申告しましょう。

また、失業保険を受け取っている期間中に業務を開始する場合は、「再就職手当」や「内職・副業の申告」という制度もあるため、事前にハローワークで相談することをおすすめします。

まとめ:開業届提出=即失業保険NGとは限らない

パート退職後すぐに開業届を提出していても、実際に事業活動をしておらず、収入がない状態であれば、ハローワークの判断によっては一時的に失業給付が受けられる可能性があります。

ポイントは、「求職活動をしている実態があるかどうか」。不安な方は、開業の状況や将来の見通しを整理したうえで、ハローワークに早めに相談してみましょう。

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