会社員からアルバイトへと働き方が変わると、健康保険の扱いも変化します。特に「国民健康保険への切り替え」や「未納期間がある場合のリスク」を正しく理解していないと、いざという時に医療費を全額負担しなければならない事態になることも。今回は、そのしくみと対処法を詳しく解説します。
会社員を辞めたら健康保険はどうなる?
会社員時代は健康保険(社会保険)に加入していましたが、退職後は自動的に資格を失います。その後、国民健康保険や任意継続など、別の保険に切り替える必要があります。
たとえば、退職から14日以内に住民票のある市区町村で「国民健康保険の加入手続き」を行う必要があります。もしその手続きをせず放置していると、無保険状態になる可能性があるのです。
「去年の保険料が今年に適用される」という誤解
「去年会社で保険料を払っていたから今年も病院に行ける」という話は、誤解です。健康保険は加入している期間にしか適用されません。会社を辞めた時点で健康保険の資格がなくなり、切り替え手続きをしていない限り、医療費は全額自己負担(10割)になります。
つまり、今加入している保険がなければ、その期間に病院を利用した際、保険証を提示できず、全額支払いが発生します。
国民健康保険の未加入・未納の影響とは?
国民健康保険に加入していない、あるいは加入していても保険料を払っていないと、以下のようなリスクがあります。
- 医療費が10割負担になる:保険証を発行してもらえず、窓口で全額負担に。
- 延滞金が発生:未納分に対して延滞金が上乗せされる場合があります。
- 最悪の場合、財産差押えの対象に:長期間未納が続くと強制徴収に至る可能性も。
保険料は高いと感じるかもしれませんが、無保険で病気や事故に遭った場合のリスクははるかに大きいといえます。
遡って加入&支払うことはできる?
実は、過去の未加入期間にさかのぼって国保に加入・保険料を支払うこともできます。これは「資格取得日の遡及(そっきゅう)」と呼ばれます。
たとえば、退職した月から国保に入っていなかった場合でも、市区町村に申し出ればその月にさかのぼって加入が可能です。ただし、その分の保険料は一括で請求されるため、負担が大きくなることもあります。
医療機関で10割払ってしまったら?
後日、保険の加入手続きが完了すれば、「療養費の支給申請」という制度を使って、自己負担7割分の払い戻しを申請できます。ただし、領収書や明細書などの提出が必要ですので、しっかり保管しておきましょう。
注意点としては、申請には時効(2年)があること。なるべく早めに申請手続きを行いましょう。
まとめ:保険の切り替えは早めに、未納放置はリスク大
会社を辞めた後は、自動的に保険が引き継がれることはありません。国民健康保険への切り替え手続きと保険料の支払いをしっかり行うことで、安心して医療機関を利用することができます。
万が一未納や未加入期間がある場合も、早めに市区町村に相談すれば対処可能です。健康と生活のために、保険制度を正しく理解して行動することが大切です。
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