個人事業主が従業員を1人雇うときの労働保険の月額コストとは?

社会保険

これから従業員を雇うことを検討している個人事業主の方にとって、労災保険や雇用保険といった労働保険のコストは気になるポイントです。本記事では、従業員1人を雇用した場合にかかる労働保険の月額費用をわかりやすく解説します。

労働保険とは?基本の仕組みを押さえよう

労働保険とは、「労災保険」と「雇用保険」の2つを指します。これらは事業主が労働者を1人でも雇えば原則加入が義務づけられます。

労災保険は業務中や通勤途中の事故・ケガなどを補償する制度で、保険料は全額事業主負担です。
雇用保険は従業員の失業や育休などを支援する制度で、保険料は事業主と従業員の双方が一部ずつ負担します。

具体的な保険料の計算方法

保険料は基本的に「給与 × 料率」で決まります。料率は年度や業種により異なりますが、目安として以下のように考えられます。

保険の種類 料率(目安) 負担者
労災保険 0.3%〜0.9% 全額事業主
雇用保険 0.6%(労働者)+ 0.85%(事業主) 双方

たとえば月給20万円の従業員を雇った場合、以下のようになります。

・労災保険(0.6%想定):1,200円(事業主負担)
・雇用保険(1.45%合計):2,900円(労働者1,200円、事業主1,700円)

事業主の合計負担額は月あたり約2,900円程度になります。

事業開始時の手続きと注意点

労働保険の加入には所轄の労働基準監督署やハローワークへの届け出が必要です。通常、以下の2つの申請が求められます。

  • 労災保険:労働保険関係成立届、概算保険料申告書
  • 雇用保険:雇用保険適用事業所設置届、被保険者資格取得届

提出期限や提出先は自治体ごとに異なることもあるため、厚生労働省のサイトなどで確認しましょう。

月額コスト以外にも必要な経費は?

労働保険のほかにも社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する場合、保険料はさらに増加します。

また、年度ごとに保険料の概算申告・精算が求められ、事務手続きの負担も発生します。税理士や社労士と相談しながら、正確な資金計画を立てることが大切です。

節税や助成金制度も活用しよう

雇用保険に加入することで、雇用関係助成金(例:トライアル雇用奨励金、キャリアアップ助成金)の対象になる可能性があります。

また、労働保険料は「必要経費」として所得から控除できるため、結果的に税負担を軽減できることもあります。

まとめ:個人事業主が従業員を雇う際の保険コスト感

・月給20万円なら、月額3,000円弱が労働保険の目安コスト
・雇用保険・労災保険ともに加入義務がある
・加入には所定の手続きと書類提出が必要
・保険料は経費として計上可能

はじめて従業員を雇用する個人事業主の方は、まずは月額3,000〜5,000円前後のコストを想定し、行政のサポートも活用しながら制度に対応していくのが理想です。

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