中国発のモバイル決済サービス「アリペイ(Alipay)」は、インバウンド観光客を中心に日本国内でも広がりを見せています。しかし、いざ使おうとすると「レジでエラーが出た」「支払いが通らなかった」といったケースも少なくありません。この記事では、アリペイが日本のセブンイレブンなどで使用できなかった主な原因と、スムーズに使うための対処法について解説します。
アリペイの日本国内利用についての基本
アリペイは中国本土版(Alipay)とグローバル版(Alipay+)に分かれており、日本国内で利用できるのは主に「中国本土版」のアカウントを持つユーザー向けです。一部の店舗ではAlipay+にも対応していますが、まだ限定的です。
セブンイレブンでは、原則として中国本土のAlipay決済に対応しており、海外ユーザーのアカウントや、日本国内で登録したアプリからの決済は通らない場合があります。
クレジットカード登録型アリペイが通らない理由
日本国内のユーザーがAlipayを使うために、JCBカードやVISAデビット(バンドルカードなど)を登録しても、店舗の端末側がそれらのソースからの支払いを認識しないことがあります。なぜなら、これらはプリペイドやデビット型のカードであり、Alipay側では「仮登録」的な扱いになってしまう場合があるためです。
特にAlipayの「バーチャルカード」機能は、加盟店によっては読み取れない・拒否されるケースもあります。日本のコンビニ端末は中国仕様と完全互換ではないため、この点も誤作動の一因となります。
本人確認は済んでいても使えない理由
アリペイでは本人確認(KYC)をパスポート等で完了させても、決済手段が「有効」と見なされていなければ支払いができません。具体的には。
- カード登録は完了しているが、認証がAlipay側で完了していない
- 登録カードが国際ブランド(JCBやVISA)であっても、チャージ処理に対応していない
- 一部の銀行口座やカードが「中国国内ユーザー」向け仕様になっている
つまり、日本国内からアクセスしたAlipayアカウントは、機能制限を受けている可能性が高いということです。
バンドルカード連携でも通らないケース
バンドルカードはVISAプリペイド型のカードで便利ですが、アリペイとの相性はあまり良くないとされています。特に支払い時にVISA認証(3Dセキュア)が必要な場合、認証フローを通れないことがあり、それが原因で決済がエラーになることもあります。
また、Alipayが中国国内向けに設計されているため、プリペイドカードとの連携機能が制限される傾向にあります。したがって、バンドルカードでのチャージ成功=使用可能、とは限りません。
今後の対応策と代替手段
もしアリペイを日本国内で安定して使いたい場合、次の方法が現実的です。
- Alipay+対応店舗での利用に限定する(例:ローソンや一部タクシー)
- 中国発行の銀聯カードをアリペイに登録して使う
- 中国本土の銀行口座・アカウントを取得してフル機能アカウントにする
あるいは、PayPayやLINE Payなど、国内で広くサポートされているQR決済サービスに切り替えるのも一つの選択肢です。
まとめ:アリペイが使えないのは仕様と地域制限の影響が大きい
アリペイが日本のセブンイレブンなどで使えない原因は、カードの種類や登録状況というよりも、アカウントの地域制限や店舗側の対応環境にあります。JCBやバンドルカードの登録だけでは、必ずしも国内利用が保証されるわけではありません。
今後はAlipay+の対応店舗が増えることで利便性は改善される可能性がありますが、現時点では「使える場所を選ぶ」「代替サービスを検討する」という視点が重要です。
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