フリーターとしてWワークをしている方の中には、「すでにどこかで社会保険に入っているけど、掛け持ち先でも加入が必要なの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。近年の制度改正により、社会保険加入のルールがより厳密に運用されるようになっています。本記事では、Wワーク時における社会保険の取扱いについてわかりやすく解説します。
社会保険の基本ルール:原則は「1社加入」
原則として、社会保険(健康保険・厚生年金)は1つの会社で加入すればOKです。すでにA社で社会保険に加入しているのであれば、B社では通常加入は不要です。
ただし、例外として「複数の事業所で加入条件を満たす場合」は注意が必要です。これは「マルチジョブホルダー制度」として、2022年から対象が拡大されています。
Wワークでも社会保険が必要になるケース
次の2つの勤務先で、両方が社会保険の加入条件(週20時間以上、月8.8万円以上など)を満たすと、「合算して社会保険に加入しなければならない」可能性が出てきます。これが『マルチジョブホルダー制度』の考え方です。
この場合、被保険者本人が「特定適用事業所に勤務している」「2つの勤務先で条件を満たしている」ことを証明し、年金事務所へ申し出る必要があります。
月収8万8千円がカギ!社会保険の判断基準
厚生年金の加入条件には「月額賃金8.8万円以上」が含まれます。これはフルタイム勤務の概ね4分の3に該当する水準で、週20時間以上勤務などの他条件と合わせて適用されます。
たとえば、掛け持ち先Bで月88,000円を超える収入があり、かつ勤務時間も一定時間を超える場合、その会社単独で加入対象になる可能性もあります。
掛け持ち先の会社が「加入不要」と言う理由
多くの中小企業では、マルチジョブホルダー制度への理解が進んでいない場合もあります。B社の担当者が「すでに加入していれば大丈夫」と説明することがあっても、制度上は加入が必要になるケースもあり得ます。
実際の判断は事業所ではなく、年金事務所が行います。保険料の未加入や追徴課税を防ぐためにも、自身でも制度を確認しておくことが大切です。
もし加入対象になってしまった場合の対処法
仮にB社でも社会保険の加入条件を満たしてしまった場合、次のような選択肢があります。
- B社のシフトを減らす(勤務時間を20時間未満に抑える)
- 給与額を8.8万円未満に調整する
- 短期的な雇用契約に変更する(2ヶ月以内など)
いずれもB社との調整が必要となりますが、あらかじめ保険制度に関する知識を共有しておくことで、トラブルを避けることができます。
確認すべき公的な情報源
詳しくは以下の公式情報を参照することで、最新の制度変更にも対応できます。
自分のケースが該当するかどうか不安な場合は、最寄りの年金事務所に相談するのが最も確実です。
まとめ:掛け持ち先でも条件次第で加入義務がある
Wワークであっても、複数の勤務先で社会保険の加入条件を満たせば、加入が必要となる場合があります。ただし、すでに1社で加入している場合は、原則として他社では不要です。例外となるケースについては、最新の制度を正確に把握し、必要に応じて勤務条件の見直しや年金事務所への相談を行うようにしましょう。
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