年金収入がある高齢者の方でも、生活保護の対象になる場合があります。生活が苦しくても「年金をもらっているから無理」とあきらめてしまう方も多いですが、制度の理解と正しい手続きによって支援を受けられる可能性は十分あります。
◆生活保護とは?年金受給者も対象になる理由
生活保護制度は、日本国憲法第25条に基づき、最低限度の生活を保障するための制度です。収入が最低生活費に満たない場合に、その差額を補う形で支給されます。
そのため、年金を受け取っていても、それだけでは生活が成り立たないと判断されれば、生活保護が認められる可能性があります。
◆年金月7万円(2か月14万円)は保護対象になる?
生活保護の基準は地域や世帯構成によって異なりますが、たとえば東京都区部で一人暮らしの高齢者の最低生活費はおおよそ月13万〜15万円程度とされます。
このため、年金が月7万円(2か月14万円)であれば、生活費が不足していると判断され、生活保護の対象となる可能性が高いといえます。
◆申請時に必要な書類と手続きの流れ
- 本人確認書類(マイナンバーカード、保険証など)
- 年金の振込通知書や通帳の写し
- 住居に関する書類(賃貸契約書など)
- 資産状況を確認する資料(通帳、保有車両など)
生活保護の申請は、お住まいの自治体の福祉事務所で行います。事前に相談だけでも可能ですので、不安な場合は窓口で状況を話してみると良いでしょう。
◆よくある誤解:子どもがいると受けられない?
「子どもがいると親は生活保護を受けられない」というのは誤解です。厚生労働省の方針では、子どもに扶養義務はあるが、生活保護の前提ではないとされています。
実際には、役所が扶養の意向確認を行ったうえで、支援が難しい場合には本人の申請が通ることも珍しくありません。
◆生活保護と年金の併用支給のしくみ
生活保護を受給している人が年金を受け取っている場合、その年金額を生活保護費から差し引く形で支給額が決まります。つまり、年金が7万円で、最低生活費が13万円であれば、差額の6万円が支給されるというイメージです。
年金を理由に生活保護が全額打ち切られることはなく、生活水準が最低限を下回らないように調整されます。
◆まとめ:年金があっても生活保護の対象になる可能性は高い
- 年金額が月7万円程度なら生活保護対象の可能性がある
- 福祉事務所への相談で正確な判断が得られる
- 扶養義務者の存在は必ずしも申請の妨げにはならない
- 必要書類を揃えて、制度を正しく理解しよう
生活の不安を抱えたままでは、健康や心の安定にも影響が出かねません。早めの相談と行動が、安心した暮らしへの第一歩になります。
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