近年の社会保険制度の見直しにより、学生アルバイトでも一定条件を満たすと加入義務が発生するケースが増えています。特に「週20時間以上」「月8.8万円以上」「従業員101人以上の企業」という条件に該当するかどうかがポイントとなります。本記事では、シフト自由な働き方でも社会保険加入が必要か判断するための基準や、加入した場合のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
社会保険加入の5つの条件
社会保険(健康保険・厚生年金)の加入対象となるパート・アルバイトの条件は、以下の5つです。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上
- 勤務先が従業員数101人以上の企業
- 継続して1年以上働く見込み
- 学生でないこと(夜間・通信・定時制を除く)
この条件すべてに該当する場合、原則として社会保険に加入する義務が発生します。
「週20時間以上」の判断はどうする?
「週20時間以上」の条件は、実際の労働時間ではなく「所定労働時間」で判断されます。所定労働時間とは、雇用契約書などに記載された企業との約束上の勤務時間です。
たとえば「週1日3時間~OK」というシフト自由制であっても、会社が想定する標準的な勤務シフトが週20時間を超えていれば、社会保険の対象になる可能性があります。契約時に確認していなかった場合は、会社に「私の所定労働時間はどう設定されていますか?」と聞いてみるのが確実です。
月8.8万円以上は「基本給+各種手当」で判断
この金額は残業代や交通費を除く「基本的な給与」で判定されます。月に安定して8.8万円以上の給与がある場合は条件クリアとなります。
とくにシフト制の場合、月ごとのバラつきがあっても、平均的に見て8.8万円以上であれば判断基準に該当することになります。
学生バイトでも社会保険加入はある?
原則として「学生は対象外」ですが、夜間学生、通信制、定時制は例外扱いとなり、加入対象になります。逆に言えば、昼間の全日制大学・高校の学生は基本的に除外対象です。
しかし、休学中の場合は「学生」とは見なされず、一般労働者と同様に扱われるため、社会保険加入の対象になる可能性が高まります。
加入した場合のメリット・デメリット
メリット:
- 医療費の自己負担が軽くなる(扶養ではなく本人分になる)
- 厚生年金が加算され、将来の年金額が増える
- 雇用保険・傷病手当金などの保障が受けられる
デメリット:
- 毎月の手取りが減る(保険料の本人負担分)
- 扶養から外れると、親の税金・社会保険負担にも影響が出る
どのタイミングで加入の話が出るのか
企業側は原則として、該当条件を満たした時点で加入手続きを進める必要があります。特に月の労働時間や収入が安定して条件を超えていると判断されると、会社から声がかかることが多いです。
一方で、明確な所定労働時間を定めていないケースや、労働時間が変動的な場合は、会社側も慎重に判断します。加入条件の確認を自己判断で済ませず、人事担当に問い合わせましょう。
まとめ:休学中バイトでも条件次第で社会保険加入の可能性あり
休学中であっても「学生扱いされない」ため、月収8.8万円以上かつ週20時間以上の勤務実態がある場合は、社会保険の加入対象となる可能性が高くなります。とくに101人以上の企業に勤めている場合は制度の適用対象になるため、放置せず確認しましょう。
会社に「所定労働時間はどう定義されていますか?」「社会保険加入の判断基準は?」といった質問をすることで、適切な対応ができます。損をしないためにも早めの確認が大切です。
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