社会保険に関しては、就職・退職のたびに加入・脱退手続きが必要となるため、人生の転機で「どうすればいいの?」と戸惑う方も多いでしょう。特に扶養申請中に再就職が決まった場合は、どのように手続きを進めるべきか混乱しやすい場面です。本記事では、扶養申請中に社会保険加入が決まった場合の対応方法とその流れを解説します。
扶養申請中でも社会保険への加入は可能
結論から言えば、扶養申請中であっても、就職により社会保険加入資格が発生した場合は、その加入を優先して問題ありません。扶養申請がまだ承認されていない状態であれば、正式に扶養に入ったとは見なされず、重複加入にはなりません。
企業側から保険組合に対して「7月1日からの加入」として手続きがされれば、自動的に扶養の手続きは無効化されるため、心配は不要です。
社会保険への加入手続きの流れ
社会保険加入の手続きは、通常は新しい勤務先が担当してくれます。手続きの基本的な流れは以下の通りです。
- 雇用契約締結時に「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を会社が作成
- 7月1日付で社会保険に加入手続きを実施
- 健康保険証が発行されるまで、最長で2〜3週間程度かかる
手続きが完了すれば、7月1日付で社会保険に加入したことになります。この時点で、6月15日に申請した扶養は無効とされます。
扶養申請は自動キャンセルされる?
加入先によって異なりますが、扶養の申請が審査中の状態で被保険者としての社会保険加入が認められると、扶養申請は取り下げ扱いになるケースが多いです。
ただし、念のため、配偶者の加入している保険組合に「再就職したため扶養申請は不要になった」と連絡しておくとトラブル防止になります。
保険証の切り替えタイミングに注意
保険証の交付まではタイムラグがありますが、その間に医療機関を利用する場合は、以下のいずれかで対応しましょう。
- 医療費をいったん全額負担して後日申請で還付を受ける
- 勤務先に「資格取得証明書」を発行してもらい、医療機関に提示する
資格取得日(就職日)から保障は開始されるため、未保険状態になることは基本的にありません。
実例:同様のタイミングでの切り替えケース
【ケース】5月末退職 → 6月に夫の扶養申請 → 7月1日から再就職が決定
この場合、6月の扶養申請は取り下げとなり、7月からは新会社で社会保険に加入。保険証の切り替えが完了すれば、扶養には正式に入っていなかった扱いとなるため、特別な手続きの重複も発生しませんでした。
まとめ:焦らず、就職先の保険加入を優先すればOK
・扶養申請中でも就職が決まったら、就職先での社会保険加入を優先
・保険証の到着までに医療機関を受診するなら「資格取得証明書」で対応可
・念のため配偶者の保険組合に扶養申請のキャンセル連絡をしておくと安心
人生の変化に伴う保険の切り替えは誰にでも起こり得ること。焦らず、状況に応じて正しく手続きを行えば大きな問題にはなりません。
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