子どもの宿泊行事などで健康保険証のコピー提出を求められた際、「会社名が載っているけど隠しても問題ない?」と不安に思う保護者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、保険証に記載された情報の取り扱いとマスキングの是非について、医療対応や学校現場の観点から解説します。
健康保険証の目的は「受診時の確認」
保険証のコピーを提出する目的は、宿泊中にケガや病気が発生した際、医療機関でスムーズに保険診療を受けられるようにするためです。
そのため、氏名・記号・番号・生年月日・保険者名(保険組合名など)は必要情報となり、医療機関が確認するのはこれらの内容です。
会社名は“医療行為”に必要ない
健康保険証に記載されている「会社名」は、企業が加入する健康保険組合を識別する補足情報に過ぎず、診療や保険請求に直接必要ではありません。
たとえば全国健康保険協会(協会けんぽ)では、会社名が書かれていない保険証も存在しており、それでも問題なく医療機関で使用されています。
マスキングしても有効?実例と現場の対応
多くの学校や団体では、個人情報保護の観点から会社名や事業所番号のみ黒塗りして提出することを容認しているケースがあります。
たとえば「会社名だけをマスキングし、記号番号や被保険者名はそのままにして提出したが、受診時に問題はなかった」という保護者の声も多数あります。
注意したいのは「必要な情報まで隠さない」こと
マスキングの際に記号・番号・氏名・生年月日・保険者名まで消してしまうと、医療機関で本人確認ができず、10割自己負担で支払うことになる可能性があります。
事前に行事の主催者(学校や塾など)に「会社名だけ隠しても良いか」を確認しておくと安心です。
個人情報の観点からのリスクと対策
保険証には会社名のほかにも住所・記号番号など重要な個人情報が含まれています。コピー提出は必要最小限にとどめ、提出後は必ず返却されるか、適切に破棄されるか確認しておきましょう。
可能であれば、裏面には「使用後は返却または責任を持って廃棄をお願いします」と一筆加えておくのも有効です。
まとめ:会社名のマスキングは可能。ただし主催者との確認を
子どもの宿泊行事などで保険証のコピーを提出する際、会社名を隠しても診療には支障が出ないことが多く、個人情報保護の観点からも理にかなった対応です。
ただし、主催者に事前に確認すること、そして必要な情報は隠さないことが大切です。適切な情報管理で安心して子どもを送り出しましょう。
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