失業保険を減らさずに働くには？バイトと給付金の正しい付き合い方

失業保険を受け取っている間のアルバイトは、家計を支える有力な手段ですが、仕組みを正しく理解しないと「働いたのに減額されてしまった」と感じることもあります。この記事では、失業保険の減額ルールやバイトとの両立のポイントをわかりやすく解説します。

失業保険とアルバイトの基本的な関係

失業保険（基本手当）は、「失業状態にあり、就職活動をしている」ことを前提に給付されます。そのため、アルバイトをすると「就職している」とみなされる可能性があり、日数や収入によって給付額が減額されたり、支給停止となることがあります。

具体的には、1日の労働時間が4時間以上か未満かによって「就労」か「内職・手伝い」と判断され、それによって給付の扱いが変わります。

アルバイトによる収入がある場合、その分が失業保険から差し引かれることがあります。たとえば、1日4時間以上働いた場合、その日は「就労日」となり、その日分の基本手当は支給されません。また、収入が1,385円（令和6年度の基準）を超えると「賃金相当額」が失業給付から減額されます。

たとえば、6万円のバイト収入があった場合、約5万円が給付から差し引かれたケースは、制度上は正当な処理です。

失業保険を受給しながらバイトをしたい場合は、「4時間未満の労働にとどめる」「収入額を調整する」などの工夫が必要です。また、ハローワークへの「就労申告」は必須で、正確に申告しないと不正受給とみなされることもあります。

週に2〜3日、1日3時間程度の内職であれば、基本手当の支給を受けつつ収入を得られる場合があります。働いた日数や時間、内容によって結果が異なるため、事前にハローワークに相談するのが確実です。

失業保険だけでは家計が苦しい場合、他の支援制度も活用しましょう。例えば「住居確保給付金」「就労促進手当」「教育訓練給付金」などがあり、条件に応じて利用可能です。

大学生の子どもがいる家庭であれば、奨学金制度や教育費軽減策の活用も検討する価値があります。各自治体や社会福祉協議会が実施している生活福祉資金の貸付制度も視野に入れておくと良いでしょう。

失業保険の制度は複雑ですが、正しく理解し、上手に使えば生活の支えになります。「働いても意味がない」と感じるのは、制度のルールを知らないことで損をしてしまっているからかもしれません。

「どうしたら給付を減らさずにバイトできるのか？」「扶養や税金への影響は？」など、不安がある場合は、ハローワークや社会保険労務士に相談するのも一つの手です。

・失業保険は「就労の程度」によって支給額が減額されることがある。

・バイト収入があるとその分が手当から差し引かれる場合がある。

・1日4時間未満、収入を抑えた内職が支給と両立しやすい。

・ほかの支援制度や相談機関も活用し、制度を正しく理解して生活を支える選択をしましょう。